「EF58形」長距離列車を牽引した電気機関車の軌跡 ブルトレから荷物列車まで、昭和の電化幹線を席巻

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

32~34号機は製造中であったものが完成前に貨物用機に変更され、歯車比の変更と死重を積載するなどして1951年に別の形式、EF18形として落成したのだ。EF18形の3両は浜松機関区に配属され貨物牽引などに従事し、晩年は藤枝駅などで入換用として用いられたが地味な存在に終始し、1979年には全機廃車、解体された。

EF58 デッキ付き 初期型
デッキ付き箱型車体だった初期型のEF58形。有楽町付近を走る姿(写真:大塚康生)
EF18
EF58形の32~34号機は貨物用のEF18形として落成した(撮影:南正時)

「半流線形」で花形機に

半流線形車体のデザインの参考となったといわれるのは、1950年に登場したフランス国鉄の電気機関車、2D2-9100形だ。同機は急行用機関車の名機といわれ、スマートなボディに前面にはステンレス製の「ヒゲ」が付けられていて、旅客用としてのスピード感を表していた。

SNCF 2D2-9100
EF58形半流線形の2年前に登場したフランス国鉄の2D2-9100形(撮影:南正時)

EF58形の半流線形車体もスピード感あふれるスタイリッシュなデザインで、前面には「ヒゲ」が取り付けられている。その形からしてフランス国鉄の電気機関車の影響を受けたと思われ、2D2-9100形は我が国のヨーロッパ鉄道ファンの間では「フランスのEF58」と呼ばれたほどだ。

誕生の過程では複雑な経緯を背負ったEF58形であるが、半流線形車体が登場した昭和20年代末から急行旅客用機関車として頭角を現し始め、特急、急行列車の先頭に立つようになった。

この記事の画像を見る(59枚)
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事