「都民への罰」との声まで…首都圏に増殖中「まいばすけっと」はなぜこうも嫌われるのか? それは「強さ」の裏返しだった

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

しかも、そのとき私たちの視界を支配するのは、あの「ポップ体」のロゴである。

ポップ体は、フォントとしては見やすくて視認性は高いが、都市空間の中では意表を突くデザインである。だからこそ看板に採用されたのだろうが、それも含めてまいばすけっとは、人々から戸惑いをもって受け止められているのではないか。いわば、日常の中の「違和感」だ。

外観
ポップ体のロゴは、視認性が高いが街にはあまりなじまないかも?(筆者撮影)

この辺りは、初期のドンキと似たような雰囲気も感じる。もっとも、ドンキとまいばすけっとは、店舗空間の作り方では正反対である。ドンキが「個店主義」を掲げて、それぞれのドンキで違う商品ラインナップを持っているのに対し、まいばすは徹底して均質化されている。

また、ドンキが装飾などを凝ってPOPなども大量に貼って「買い物の楽しさ」を演出しているのに対し、まいばすけっとはそうした装飾は一切やらない。

MEGAドンキ
ドン・キホーテも、かつては「ヤンキーがいる店」というふうな、ネガティブなイメージ(偏見?)を持たれていた(筆者撮影)

けれど、ドンキが初期、その奇抜な店舗で世間から「ゲテモノ」扱いされたように、まいばすけっともまた、どこか生活の中の「違和感」として浮かび上がっている。

方向性は違うが、知らないチェーンが突然現れたときの典型的な反応として「嫌悪」がある。よく知らないのに、徐々に生活を侵食するものに対して、人はどこか拒否反応を覚えるものなのである。

「嫌悪」の裏にある「生活への浸透」

興味深いのは、今書いてきたまいばすけっとが嫌われる特徴は、そのまま、まいばすけっとが躍進している理由でもあるということだ。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事