「都民への罰」との声まで…首都圏に増殖中「まいばすけっと」はなぜこうも嫌われるのか? それは「強さ」の裏返しだった
しかも、そのとき私たちの視界を支配するのは、あの「ポップ体」のロゴである。
ポップ体は、フォントとしては見やすくて視認性は高いが、都市空間の中では意表を突くデザインである。だからこそ看板に採用されたのだろうが、それも含めてまいばすけっとは、人々から戸惑いをもって受け止められているのではないか。いわば、日常の中の「違和感」だ。

この辺りは、初期のドンキと似たような雰囲気も感じる。もっとも、ドンキとまいばすけっとは、店舗空間の作り方では正反対である。ドンキが「個店主義」を掲げて、それぞれのドンキで違う商品ラインナップを持っているのに対し、まいばすは徹底して均質化されている。
また、ドンキが装飾などを凝ってPOPなども大量に貼って「買い物の楽しさ」を演出しているのに対し、まいばすけっとはそうした装飾は一切やらない。

けれど、ドンキが初期、その奇抜な店舗で世間から「ゲテモノ」扱いされたように、まいばすけっともまた、どこか生活の中の「違和感」として浮かび上がっている。
方向性は違うが、知らないチェーンが突然現れたときの典型的な反応として「嫌悪」がある。よく知らないのに、徐々に生活を侵食するものに対して、人はどこか拒否反応を覚えるものなのである。
「嫌悪」の裏にある「生活への浸透」
興味深いのは、今書いてきたまいばすけっとが嫌われる特徴は、そのまま、まいばすけっとが躍進している理由でもあるということだ。
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