批判されたクリエイターが自ら解説し共感を獲得。万博の情報発信課題が次回イベントに残した反省点

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河瀨直美によるシグネチャーパビリオン「Dialogue Theater - いのちのあかし - 」
8人のプロデューサーの1人、河瀨直美によるシグネチャーパビリオン「Dialogue Theater - いのちのあかし - 」は、「対話」を通じて、世界の至るところにある「分断」を明らかにし、解決を試みる実験場となっており、来場者と選ばれたスクリーン越しのもう1人の一般の人が、その日選ばれたテーマについて対話をする様子を見学するという極めて実験的なパビリオンだ(筆者撮影)

公式Webサイトの設計、何が問題だったか

ところで今回の万博では会場を回っていると、ちゃんと周知できていないようなマイナーイベントや急に決まった催しにもソーシャルメディアの情報を見て多くの人が集まっている様子に何度か驚かされた。

一方で、ソーシャルメディアを使いこなせず案内係やボランティアスタッフに相談している人々もいる。いや、数としてはこちらの方が圧倒的に多い。

そういう意味では今回の万博は情報格差が可視化された万博とも言えるかも知れない。

この格差を是正する上で重要なのが、公式Webサイトなどを通しての情報発信だろう。

大阪・関西万博の公式Webサイト「EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト」は、デザイナーの引地耕太さんが作ったグラフィックデザインの展開案をうまく活用し、見た目は非常に良くできている。

ただ、情報の発見性などの設計は、現在はかなり良くなっているが開幕直後は出来がよくなかった。

158の国・地域と7つの国際機関が出展、90近いパビリオンや施設があり、そのそれぞれが週替わりや日替わりでイベントを開催しているのだから、情報の総量が相当数に上がり、管理が大変なことは理解ができる。開幕直後は、その日に開催されるイベントはPDFファイルにまとめられて掲載されているだけで、ファイルをダウンロードして情報を読み込む必要があった(現在は、その日行われている主なイベントなどがまとめられたページがある)。

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