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批判されたクリエイターが自ら解説し共感を獲得。万博の情報発信課題が次回イベントに残した反省点

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  • 林 信行 フリージャーナリスト、コンサルタント
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積極的なパビリオンはXのアカウントを開設して独自にパビリオンの情報を発信し始めた(おそらく、公式Webサイトの出来不出来に関わらず独自に情報を発信していたパビリオンも多いと思う)。そのためこれらのアカウントをフォローしていれば、そのパビリオンに関する情報は得やすくなったが、全体像がわかりにくい問題はそのままだ。

ソーシャルメディア時代になって初めての国内開催の万博ということでノウハウがないことは理解できるが、公式Webサイトの計画段階で、どこからどのような情報が出てくる可能性があるのか、どの情報がどれくらいの頻度で更新されそうか各パビリオンなどにもヒアリングを行い、もう少しうまく情報発信の方法を設計できたのではないかと思わせる。

大阪・関西万博ではイベント運営そのものが、日々、万博協会の人々やパビリオンを運営する人々の膨大な量の工夫によって常にルールの改善が図られていたように万博の公式Webサイトも日々、改良が重ねられてきた。これにより前半で指摘されていた知りたいイベントの情報が見つからない、といった状況はかなり改善した。しかし、重要イベントの記録や発信方法など、未来に向けてのアーカイブとしての視点など、最初の設計段階での工夫が足りず、もったいない部分も多い。2年後のGREEN×EXPO 2027では、ぜひITでの情報発信にこそ力を入れてもらいたい(画像:大阪・関西万博公式Webサイトより)

万博で刻まれた歴史をどうアーカイブとして残していくか

公式Webサイトについて、もう1つ残念に思うのが、この万博のレガシーを伝える設計になっていないことだ。

会期中には、ここに多くの国の皇族や首長、さらには国連のアントニオ・グテーレス事務総長やバチカン国務長官のピエトロ・パロリン枢機卿(教皇レオ14世の代理)などが訪れ平和の重要性を訴えるスピーチも行った。しかし、そうしたスピーチの記録は国連のWebページやバチカンの公式サイトなど、各国や団体に任せたままで、まとめたリンクすらなくもったいない。

今回の万博に重要な文化財を持ってきたのはイタリアだけでなく、フランス館では5点のオーギュスト・ロダンの手の彫刻や樹齢2300年のオリーブの樹、ペルー館が精緻な装飾を施した土器、儀式に用いられた楽器を展示したり、中国館が世界初の試みとなる月の表側と裏側の土壌の同時公開など珍しい展示が多数ある。さらに1日限定でチェコ館が「遺伝学の父」と呼ばれるグレゴール・メンデルの現存する唯一の直筆稿を展示といった具合に期間限定での特別展示も数多くあった。しかし、こうしたものも各パビリオンのサイトに情報が残るだけで、全体像が見えにくい。

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