高市氏との一騎打ちのはずがナゼ? 永田町に広がり始めたまさかの「進次郎不出馬」説の深層

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小泉進次郎
自民党総裁選挙で高市早苗氏との事実上の一騎打ちになるとみられている小泉進次郎氏(中央)。だが、ここにきて、総裁選に出馬しないとの噂が広がり始めている(写真:ブルームバーグ)

「これまで民間企業、党や政府でさまざまな経験をさせていただいた私のすべてをこの国に捧げます」

石破茂総裁の辞意を受けて、自民党は総裁選挙を9月22日告示・10月4日投開票の日程で行うと決定した。茂木敏充前幹事長は9月10日、いち早く国会内で会見を開き、出馬することを正式に表明した。

茂木氏はその2日前に出馬の意向を表明した際も、「私のすべてをこの国に捧げる」というフレーズを口にした。昨年9月の総裁選で敗れて以来、ずっと温めてきた“決め言葉”に違いない。

茂木氏が秋波を送る2人の有力議員

茂木氏は安倍・菅政権では経済産業相や外相など重職を歴任し、政調会長や幹事長など党の要職も担ってきた。抜群の頭脳には定評があり、交渉力もダントツ。第1次トランプ政権時には経済再生担当相として自動車関税など日米貿易交渉をまとめ、アメリカ側から「タフネゴシエーター」と称された。

だが、その“気難しさ”は誰もが認めるとおりで、外相時代には「水は可能な限り『エビアン』を用意」といった「トリセツ」が作られた。故・青木幹雄元自民党参院会長に嫌われて、平成研究会(旧・経世会)会長に就任するのも苦労した。

そして、来月にはとうとう70回目の誕生日を迎える。残されたチャンスの回数は多くない。

だから、茂木氏が出馬表明で小泉進次郎農林水産相や小林鷹之元経済安全保障担当相の名前を出し、「こうした若手を積極的に登用し、次の世代を担う準備を早期に整えます」と宣言したことは、彼らに対する牽制とも見て取れる。

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