高市氏との一騎打ちのはずがナゼ? 永田町に広がり始めたまさかの「進次郎不出馬」説の深層

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石破政権が1年足らずで退陣に至った原因の1つに「優秀な側近の不在」が挙げられる。小泉政権では飯島勲氏、第2次安倍政権では今井尚哉氏が政務秘書官として支えた。飯島氏はマスコミを懐柔し、経産省出身の今井氏は霞が関ににらみを利かした。

飯島氏と今井氏
小泉政権で政務秘書官を務めた飯島勲氏(左)と、第2次安倍政権で同職に就いた今井尚哉氏(写真:ブルームバーグ)

一方、石破政権では「官邸の軽さ」が目立っていた。例えば、「石破降ろし」に対抗するために流された衆院解散説は、結果的に石破政権の致命傷となったが、その出どころは官邸だと言われている。

では、小泉氏が総理総裁になったとき、誰がその脇を固めるのか。昨年の総裁選での小泉氏の出馬会見は、およそ“総理総裁の本命候補”の出馬会見と思えないものだった。振り付けの浅さのみならず、「見てくれ」だけで勝負しようという意図が露呈していた。もし小泉氏が本気で総理総裁を狙うなら、まずはこうした「軽薄さ」を払拭する必要があるだろう。

出馬しないなら進次郎氏はどう動くのか

小泉氏は今回の総裁選に出馬せず、林芳正官房長官の応援に回るとの話も聞こえる。岸田政権と石破政権で官房長官を務めてきた林氏は、文部科学相や外相、農水相などを歴任。早い段階から「総理総裁候補」と見なされていた。参院議員として挑戦した2012年の総裁選では最下位に甘んじたが、2024年の総裁選では小泉氏に次いで4位となっている。

世間では「高市 vs. 小泉」で注目を集めている今回の総裁選だが、実は永田町で最も有力視されているのは林氏だ。もし林氏が小泉氏の支援を得て決選投票に残ることができれば、多くの議員票が流れ込み、「3度目の正直」を目指す高市氏にとって大きな脅威となる。

高市氏はなんとしても1回目の投票で過半数を制さなくてはならないが、岩盤支持層を引き戻せる高市氏には、自民党内のみならず公明党からも期待の声が上がっている。

衆参両院選挙での大敗という未曾有の危機に見舞われ、「解党的出直し」を強いられている自民党。その再生をかけた次期総裁選では、これまでにない戦いの構図を見ることになるかもしれない。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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