【産業天気図・医薬品】薬価引き下げなく晴れ間だが、東の空には「頻回改定」の暗雲が見え隠れ

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07年前半は晴れ、後半は曇りの空模様となりそう。6・7%という大幅な薬価切り下げに遭った06年度に比べ、今年は引き下げがなく一息つけそう。生活習慣病薬全般に強い武田薬品工業<4502.東証>、免疫抑制剤に過活動膀胱薬の成長著しいアステラス製薬<4503.東証>、高脂血症薬の下落を高血圧薬で挽回している第一三共<4568.東証>、認知症薬で圧倒的なシェアを持つエーザイ<4523.東証>の4強はそれぞれ数量ベースでの増加を満喫し、増収増益となる見込みだ。
 ただし、医療費削減を目指す国による薬価の「頻回改定(=毎年薬価を引き下げる)」制度の導入が真剣に議論されており、業界は中期的には極めて大きなリスクを抱えている。減収局面に耐えうる企業規模を求め、三菱ウェルファーマ×田辺製薬<4508.東証>に続く業界再編が起こる確率が高まっている。
 一方、医療費削減策をテコに元気なのがジェネリック(後発)医薬品だ。昨年4月にはジェネリックに有利な処方箋改定が行われたのに続き、5月15日の経済財政諮問会議では「2012年までにジェネリック使用率を今の倍の3割にまで引き上げるべき」という意見も飛び出した。沢井製薬<4555.東証>、日医工<4541.大証>、東和薬品<4553.東証>などジェネリック専業メーカーはもちろん、明治製菓<2202.東証>、キョーリン<4569.東証>のような新薬メーカーもジェネリック事業の育成に熱心だ。
 仮に頻回改定が実施されれば、パイプライン(新薬候補)が乏しい中堅・小規模製薬メーカーは死活問題で、否応なしにジェネリックへ参入せざるを得なくなるかもしれない。さらには、売上高1兆円規模を誇るイスラエルのテバ製薬工業など、海外のジェネリックメーカーも日本市場に秋波を送っており、ジェネリックを巡る動きから目が離せない。
なお、薬局・薬店で医師の処方箋なしに買える一般用医薬品(大衆薬)はここ数年のマイナス成長に泣いてきたが、メタボリックシンドローム(代謝症候群)の“特需”を背景に、漢方薬や滋養強壮剤などでヒット商品が生まれており、ようやく底入れしたもようだ。
【高橋由里記者】

(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部

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