これは、既婚男性でも同様の傾向で、2016年時点では年収300〜400万台の中間層がもっとも恋愛人数が多かったのに対し、2024年では600万円以上が最多となります。
結婚は経済生活ですから、特に男性の場合は結婚相手としての条件としてその年収が影響することはある意味当然ですが、結婚以前の恋愛の可否もまた年収次第となってしまっている現状があります。
一方、未婚女性も2016年はむしろ低年収の方が恋愛人数が多かったのに対し、2024年は男性と同じように高年収でないと恋愛ができなくなっている傾向が見てとれます。言い換えれば、男女とも高年収でなければ恋愛すらできなくなっているということです。
結婚と出産の意識のインフレ
ちなみに、結婚に至るまでの平均恋愛人数は約3.68人です。もちろん、それ以下では結婚に至らないということではありませんが、その平均値をひとつの基準としてとらえると、30代までに未婚男性は年収600万円以上、未婚女性も年収400万円以上でないとその恋愛人数に達しないということになります。それを満たす未婚男女は一体どれくらいいるでしょう。それぞれの年収中央値から考えれば、中央値年収ではとても恋愛をすることすらままならないということになります。
それを裏付けるように、現代では、結婚と出産の意識のインフレが起きています。
SMBCコンシューマーファイナンスによる「20代の金銭感覚についての意識調査」から、若者が考える「結婚が可能になる世帯年収」の中央値を独自に計算すると、2014年時点では379万円でした。その金額は、ちょうどその頃の、25〜29歳の男性の平均給料(個人年収)とほぼ一緒です。つまり、2014年までは20代後半の男性の一馬力の平均給料でも結婚できると若者自身が思っていたし、実際それで結婚できていたわけです。
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