しかし、グローバルでは、「非情な強権型リーダーはもはや時代遅れ」と言う考え方が台頭している。スティーブ・ジョブズから代替わりしたティム・クック、新しくマイクロソフトのトップとなったサティア・ナデラ、さらにはオバマ大統領なども強権を振りかざすタイプではなく、どちらかという謙虚な協調型だ。
今年6月に求人サイト会社グラスドアが発表した「もっとも好かれるCEOリスト」には、グーグル(現在はアルファベット)のラリー・ペイジ、ナイキのマーク・パーカー、フェースブックのマーク・ザッカ―バーグなどの名前が並ぶ。どれも、従業員などとの対話を重んじる“共感系”のリーダーだ。
このランキングはその企業で働く従業員による評価度をもとに決められるもので、働く人々の生の声が直接反映されている。「CEOはメールに5分で返事をくれる」(リンクトインの従業員)「ラリーはとにかく頭がよくて、ちょっとおもしろくて、控えめだけど、強烈で、とっても好かれる人」(グーグルの従業員)などの賛辞が並ぶ。
「女性が強みとする資質」が高い評価
特に最近は、トップに求められる資質として、忍耐力、コミュニケーション力、直感、柔軟性、共感力などが挙げられることが多い。これらの資質はマッチョ型の男性の特徴的なものではなく、どちらかと言うと女性が強みとするものだ。
求められるリーダー像は「派手なセレブ型ではなく、謙虚でありながら、しっかりとしたプレゼンスを持ったリーダー」。世界的PR会社のウェーバー・シャンドウィックが1700人の企業幹部に対して行った調査で、こんな結果が浮かび上がった。
顧客や取引先、従業員としっかりと直接的にコミュニケーションをとり、共感を形成していくことが重要であり、もはや、「『俺様系』、『オラオラ系』のトップは時代遅れ」ということだ。
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