「外観は怪しい、でも中は豪華」、映画『国宝』の撮影地で話題に!《大阪・十三の老舗キャバレー》が人気の背景
それまで鉄道会社で働き、「まちづくり」「地域貢献」に興味を抱いていた泰三さんは、建物の新たな活用法を模索。2021年秋から営業に差し障りのない日曜日や平日日中に、貸会場事業をスタートさせた。
SNSで「キャバレーの営業時間外で会場をレンタルできます」と告知。怪しいイメージを持たれないように、ホームページにはレンタル料金をわかりやすく記載するように心掛けた。
するとメタルバンドCROWLEYの「悪魔がにくい」MV撮影で使われることになった。昭和40年代の雰囲気が曲とマッチしたことからの依頼だった。

これを皮切りに、少しずつ予約が入るように。すると読売テレビから「ベストヒット歌謡祭2021で、ある男性グループの収録をさせてもらいたい」と依頼があった。ただし、本番までどのアーティストが来るかは言えないという。
「昭和の雰囲気だし、純烈かな?」と泰三さんは思いつつ、二つ返事で了承。当日を迎えると、そこに現れたのは関ジャニ∞だった。
「この映像が放映されたのが11月だったんですけど、たまたまその時にグランドサロン十三の無料見学会を3日間開いたんですね。すると合計600人の来場者が来ました。
半分くらいは関ジャニ∞のファンの方々で、ソファの前にあるテーブルでキャラクターの人形を持って撮影していましたね。SNSで写真が拡散されたおかげで、この場所が知られるようになったんです」


2023年には、きゃりーぱみゅぱみゅさんのファンクラブイベントにも使われている。

映画『国宝』誘致の舞台裏
そして話題の映画『国宝』の撮影である。今年8月10日に大阪で行われた映画の舞台挨拶で、李相日監督が撮影場所について「大人になった春江が出てくるキャバレーは、十三にある現役のキャバレーですね」と語っている。
実現した背景には泰三さんの妻であり、秘書のマリアさんの存在が欠かせない。
マリアさんは大阪観光局が運営する「大阪フィルム・カウンシル」というサイトを見つけ、そのサイトに撮影地として身近な場所が登録されていることを知る。
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