「海鮮丼ランチがなんと1万2000円!!」北海道のニセコで考えた<日本で「外国人恐怖症」が蔓延する理由>

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一方で、くだんのセコマは、地元産の1本500円前後のワインも売っている。これはもう格差社会どころではない、とんでもない経済圏ができつつあるのではないか。1個200円の「北海道メロンソフト」(果汁が多くておいしい!)を買い、複雑な心境で店を出た。

もはや「バブルを超えて階級社会が到来した感じ」

ニセコで撮影した一連の写真をフェイスブックにアップしてみたら、会社の元同期社員で、もう何年も会ってない北海道在住のM君からこんなコメントが付いた(一応、本人の許可を取って掲載)。これぞ北海道民、心の叫びというべきではないだろうか。

「海鮮丼1万2000円というと、バブルを超えて階級社会が到来した感じです。スキーのリフト券もニセコに釣られて道内のスキー場も以前の倍ぐらいになり、庶民のスポーツから変容。北海道民だからスキーができるというのは私の孫世代になると伝説になると思います。あらゆる面で破壊が急激に進んでいることを肌で感じています」

そうなのだ。インバウンド需要が経済を活性化するとか、人口が増えるとか、確かに地元にプラス効果はある。ニセコの場合は、世界に比する高品質なリゾート開発ができる、という夢もある。何より人口減少社会であるこの国において、「外国人お断り」では個人消費は盛り上がらないし、建設現場から介護に至るまであらゆるエッセンシャルワークが立ち行かなくなってしまうのだ。

その一方で、今やこの国の総人口の3%を超えるようになった外国人の存在は、われわれに「不愉快な事実」を突き付ける。それは「貧しくなってしまったニッポン」だ。

長く続いたデフレ時代、われわれが秘かに楽しんでいた「お値打ち商品」は次々に値上がりし、手が届かないものになりつつある。ホテルの値段なども上がってしまい、夏休みの旅行は「安・近・短」志向になるし、出張の際には安い宿を探すのに苦労する。それどころか、投資目的の外資が入ってきたことで不動産価格が上昇し、都内などでは若者層に手の届かない水準になりつつある。

コロナ明け後の世界では、海外旅行がブームになっている。だからこそインバウンドが活況で、2024年には3687万人もの人がこの国を訪れた。ところがわが国のアウトバウンドは、今でもピーク時の3分の2程度の1301万人(同)にとどまっている。かなりの部分は円安によるものであろうが、この間に高齢化が進んでリスク許容度が低下し、日本人全体が「引っ込み思案」もしくは「内弁慶」になった感も否めない。

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