50代の団地おひとりさまライフ! 築50年を購入・リノベ、出費は月2万円だけ。新築マンション売却で手に入れた人気ブロガー・きんのさんの暮らし
実は、きんのさんの両親はきんのさんが幼いころに離婚し、母は東京、きんのさんときょうだいは父と父方の祖父母と地方で暮らしていたため、きんのさんは母と一緒に過ごした時間は短い。頻繁に交流を再開し始めたのは、きんのさんが就職で上京してからだ。
この団地に暮らすまでは、「時々会う」関係。当時、40代のきんのさんは、浅草・上野に近い下町の新築マンションを購入し、“おひとりさま”を満喫していた。
しかし、母のSOSを受け、同じ団地内で近くに暮らし始めてからは、毎朝、毎晩顔を合わせるように。
「母との団地内“超近居”が一番いい距離感でした」
「毎日会っていると、母の習慣や日常について把握しやすく、母が“あれよ、あれ”と言葉に詰まっても、なんとなく推測することができます。もし、あのまま離れて暮らしていたら、母がなんの話をしているか分からなかったでしょう。母の体や認知機能が急に悪くなったように感じてショックを受けたかもしれません」。
とはいえ、完全同居ではなく、“超近居”という選択は正解だった。
「決して仲のいい母娘じゃないです。けっこうけんかもします。でも同居じゃないから、このまま同じ場所にいたらダメだな、と思ったら自分の家に帰ることができる。いざというときはすぐ行けるけれど、それぞれの生活はある、というのが良かったと思います」

そして、この2年で大きな変化があった。
きんのさんの「団地暮らし」ブログから発展し、2023年に書籍になったのだ。
団地暮らしインテリア、老後を想定した節約術や無理しない投資、おうちごはんの工夫など、等身大かつまねしたいアイデアが満載。「古い団地の一人暮らしは“少し早めの老い支度”」とする、きんのさんの考え方や、なにかに迷ったら、文章としてアウトプットし、自問していく思考の整理術に、共感する読者が多いようだ。
「最初、出版社からお声がかかったときは、『え、これを?』と本当に驚きました。“これならマネできるかも”と思ってくださるのかもしれませんね」
書籍が出版されてからは、さまざまな媒体に取材をされることも増えた。先日はNHK総合の情報番組『あさイチ』の取材を受けた。
――何が起きるか分からない。
「私は狭い世界で生きています。人生は選択の連続で判断に迷ったら面白いほうに進むようにしています。安易に結果を想像できないことのほうが、自分次第でもっと面白くなる可能性があり、その可能性にかけてもいいんじゃないかなと思っているんです。ここに住み替えたときは、まさか本を出すなんて思ってもいませんでしたから」
アラフィフは、親の介護は目の前で、自分の老いは遠くにありつつも無視できない年齢。このままでいいとは思わないけれども、慣れた環境を変えることはおっくうかつ慎重になってしまうもの。しかし、きんのさんは、挑戦し、変化を楽しみ、自分の暮らしを獲得してきた。勇気づけられる同世代は多いはずだ。
(取材・文/長谷井涼子)
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