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チェコスロヴァキアのマルクス主義者は、キリスト教徒との対話を通じて変わった/佐藤優の情報術117

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佐藤優氏によるコラム。ビジネスパーソンに真の教養をお届け。【土曜日更新】

話を1989年11月のプラハに戻す。

コメンスキー福音主義神学大学(現カレル大学プロテスタント神学部)のミラン・オポチェンスキー教授は、筆者の話に興味深く耳を傾けた。

「すると、マサルが影響を受けたマルクス主義は、ソ連型のスターリン主義ではないんだね」

──違う。国際的な潮流だと新左翼になると思う。しかし、レーニンを肯定して世界革命を志向するトロツキズムではない。議会主義化したドイツ社会民主党のマルクス主義でもない。

「マサルの話を聞いていて、オットー・バウアーたちのオーストリア・マルクス主義に近いと思った」

オーストリア・マルクス主義の必要性

──それはいえると思う。

オーストリア・マルクス主義とは、ソ連のマルクス・レーニン主義とドイツの社会民主主義の双方を批判して、文化的要素、とくに民族を重視したマルクス主義だ。オーストリア社会民主労働党のオットー・バウアーや、マックス・アドラー、ルドルフ・ヒルファーディングが代表的理論家だ。

レーニンの帝国主義論は、ヒルファーディングの影響を受けており、スターリンの民族理論はバウアーの影響を強く受けている。

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