ソニー・平井社長が経営方針を説明、テレビ再建、イメージング・ゲーム・モバイル強化で営業利益4250億円超掲げる【会見詳報】
--過去10数年で、ウォークマンやトリニトロンテレビといった独創的なヒット商品を出せなかったのは、何が原因と考えるか。今後、ソニー復活を象徴するような革新的な商品を導入するための戦略はあるのか。
まず、最近発売してソニーらしい商品と高評価をもらった製品に、ヘッドマウントディスプレイがある。ミラーレス一眼カメラ「NEX」シリーズも評価をいただいている。ゲーム機「プレイステーション」シリーズもご好評いただいている。
これからイノベーティブな商品を、どうやって出していくかについてはポイントがある。1つは市場のニーズで、ユーザーがネットワークを介してコンテンツをどうやって楽しむのか、どういう環境を望んでいるか、市場の特性に合わせた商品をいち早く情報として吸い上げなければならない。
だから今回は、研究開発体制を大幅に見直した。市場のニーズを予測してとらえたうえで、ユーザーの夢をかなえるにはどういった技術が必要になるのか、徹底的に掘り下げていく。
さらに商品を手にした瞬間から、機能や楽しみ方、体験を提供できるように効率的なマーケティングを行う必要がある。営業部隊や物流も含めたソニーの総合力を生かすことで、お客様にイノベーティブな商品を提供できるようになる。今回、それに向けた体制変更を行った。
--ソニーからヒット商品が出なかったのは、モノ作りの体制に問題があったのではないか。さらには平井社長自らがエレクトロニクス事業の立て直しに注力しすぎることで、スピードが命となるネットワーク戦略に遅れを取る懸念はないか。
ソニーのDNAである新しい価値創造については、つい最近も実感したばかりだ。ある部署から「新社長の平井さん宛」ということで、200近くの商品やサービスのアイデアが寄せられた。その中には面白くて夢のある、明日にでも実現できそうなものがいっぱいあった。アイデアを、どう事業に結びつけていくかが、非常に大事だと考えている。