「打率1割台」でも強打者扱いされるメジャーリーグが、日本のプロ野球より進んでいるワケ

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この5年間を日本プロ野球と同じように平均すると、OPSが.722で、打率が2割4分4厘です。日本の平均と比べると、打率は1厘しか変わりませんが、OPSになると.045の差が出ます。

三振が多くても1番打者に?日本とメジャーの常識の違い

この数値の差が、メジャーは「パワー・ベースボール」と言われる所以なのでしょう。メジャーの打者で1人、例を出して紹介したいのが、フィリーズにいるカイル・シュワバー選手という強打者です。

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2024年までの通算成績はOPSで.834ですが、打率は2割3分。特に2023年はOPSで.817をマークしながら、打率は1割9分7厘。三振も215個。打率と三振数だけを見ると「日本に来てもスタメンで使ってくれないのでは?」と思う数値です。

しかし、このシーズンの本塁打は47本で文句なし。出塁率も3割4分3厘でまずまずです。三振が多いのは、じっくり待つタイプだからで、四球数は126個。こうした打者は三振も多くなりますが、四球も多いのです。こんなタイプを1番打者として起用するのだから、日本の常識とメジャーのそれとは違うことが窺えます(25年シーズンは、中軸を打つ機会が多いようです)。

宮本 慎也 野球解説者

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みやもと しんや / Shinya Miyamoto

1970年大阪府生まれ。PL学園高校、同志社大学を経て、プリンスホテルを経由し、1994年ドラフト2 位でヤクルトスワローズに入団。堅実な守備と献身的なプレースタイルで長年チームを支え、通算2133安打・408犠打を記録。ゴールデングラブ賞を遊撃手・三塁手で計10回受賞。2006年WBC優勝メンバー。2008年北京五輪では日本代表主将を務めた。2013年に現役引退後は、野球解説者、指導者として活動。著書に『意識力』(PHP新書)、『洞察力』(ダイヤモンド社)、『歩-私の歩き方・考え方-』(小学館)、『師弟』〈野村克也氏との共著〉(講談社)などがある。

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