そして、ある日ふらりと訪れたペットショップで、運命の出会いを果たす。彼が出会ったのは、犬でも猫でもなく、小さなウサギだった。
小さなウサギとの“運命の出会い”

やすさんが何かの気配を感じて振り返ると、柵と柵の間から、ひくひく動くY字型の鼻が覗いていた。灰色の産毛がはみ出し、柵の内側からはこげ茶色の一対の瞳がまっすぐにやすさんを見つめている。それは、片手に乗るほど小さなウサギだった。
思わず手を伸ばすと、「撫でろ撫でろ」と言わんばかりに柵に体を押し付けてくる。その愛らしさに、やすさんは天啓を受けたような衝撃を覚えた。
「……この子を、連れて帰ってあげたい!!」
そのペットショップには、犬も猫もいた。当初ウサギは選択肢にもなかったはず。すぐに飼い始めるつもりもなかったので、自宅がペット可物件かどうかもわからない。それでも、やすさんの勢いは止まらなかった。
その場でマンションの管理会社に電話をし、ウサギの飼育を直談判。「小動物であれば」と許可を得た。次にペットショップのスタッフに飼い方について詳しくレクチャーを受け、自宅の飼育環境を整えたうえで、なんとか飼育にこぎつけた。
こうして、やすさんとネザーランドドワーフ『ぽぽちゃん』との生活が始まった。
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