本当に意味のある技術ならわかりやすく伝えられる--李英熙(イヨンヒ)・サムスン電子専務携帯事業グローバルマーケティング責任者

アンドロイド端末の差別化は確かに難しくなっているが、Sペンによって入力経験を劇的に変えたノートのように、お客様中心のイノベーションを進めていけば、差別化のポイントは必ず見つかる。

サムスンは新しいイノベーションを作るために時間とリソースを投入している。ニーズがあるなら、それに応えるのがメーカーの役割。サムスンのDNAの中には、つねに進化して、現状に満足しないハングリーさがある。私たちはつねに進化しているから、誰かがコピーを出してきたとしても、その頃には別の新しいところに進んでいると思う。

──マーケティング手法は、どのように進化していますか。

かつてフィーチャーフォン中心に売っていたときは、一般的な広告で認知度を上げることがメインだった。しかし、スマホは触ったり、経験してみないと差別化ポイントがわからない。たとえばノートは、実際にSペンを使って絵を描いたり、切り取りをしたりメモをして、それをフェイスブックでリアルタイム共有する。そういった経験をしないと、差別化ポイントが伝わらない。でも、経験してもらえば、すぐ伝わる。お客様との接点になるショップスタッフの教育も含めて、製品を理解してもらうことに力を入れている。

──アップルのように直営店を作る考えは。

サムスンは基本的なビジネスモデルが違う。弊社はパートナーとなる事業者との関係を大切にしている。パートナーの流通網も含めてウィン・ウィンとなるモデルを作っていきたい。たとえば中国やインドなどでは、先方の要望で「ギャラクシーショップ」を1000店以上展開しているが、弊社として店舗を運営する意思はない。あくまでパートナーとウィン・ウィンの関係を築くためのツールという位置づけだ。

(聞き手:長谷川高宏、前田佳子 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2012年4月14日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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