「家中が排泄物まみれ」に唖然…R-1王者・三浦マイルド(47)、認知症の母との日常を追ったドキュメンタリーを観て感じた歯がゆさ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

広島に戻って活動するにあたっても、広島吉本から「(劇場に)出てもらえないか」と声をかけてもらったが、それまでに一切呼ばれなかったことを根に持ち、「出たくない」と断ったという。

YouTubeチャンネル『陣内智則のネタジン』(2023年2月15日投稿の動画)に出演時、三浦は「(東京に拠点を移してから、月収が)20万超えたの、本当に2回か3回ぐらいしかない」と語っている。彼の魅力でもある不器用さが、減収につながったと考えると歯がゆいところだ。

何の後悔もないし、何の迷いもない

「母親の体が悪くなる前に、僕が東京で成功できていたら(切磋琢磨したライブ会場に)呼んで、一緒にここで生活するっていう道も、もしかしたらあったのかなと思ったりとか。そういうことがやっぱ頭をよぎったりもしますね」(前述の『笑いと償い』より)

三浦が母親の影響で好きになったのが、広島東洋カープの試合観戦だ。カープの試合結果や選手の情報は、母親を生き生きとさせた。三浦自身もチームが大好きになっていく中で、ネタ作りにも役立つことを知った。カープの話題は、地元・広島の人々を笑わせるのにうってつけだった。

家を出るときは、ヘルパーに母親の介護を依頼している。とはいえ、何かあってはいけないと、仕事の合間を縫って部屋に設置したカメラで遠隔から母親を監視する日々。現在の三浦の生活は、常に母親とともにあるのだ。

介護が一段落したら、再び東京で活動したい。その思いは消えていないが、母親の介護をしながら地方でも活動できることを後続の芸人に示したい気持ちもある。『笑いと償い』の中で、三浦は今の選択をしたことに「何の後悔もないし、何の迷いもない」と言い切りこう続けた。

「この先、介護をしながら芸人をやるっていう子が増えると思うんですよ。そういう子たちのために道を作ってあげるのが自分の宿題かなと。使命というかね。『こういうやり方でも稼げるんだよ、芸人は』っていうのを、そういうモデルを、ちゃんと作りたいですよね」

お笑いライブに母を招待する(画像:FNSドキュメンタリー大賞公式より)
お笑いライブに母を招待する(画像:FNSドキュメンタリー大賞公式より)
鈴木 旭 ライター/お笑い研究家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Akira Suzuki

2001年から東京を拠点にエモーショナル・ハードコア/ポストロックバンドのギターとして3年半活動。脱退後、制作会社で放送作家、個人で芸人コンビとの合同コント制作、トークライブのサポート、ネットラジオの構成・編集などの経験を経てライターに転向。現在、『withnews』『文春オンライン』『現代ビジネス』『FRIDAYデジタル』といったウェブ媒体、『週刊プレイボーイ』(集英社)などの紙媒体で記事執筆中。著書に著名人6名のインタビュー、番組スタッフの声、独自の考察をまとめた『志村けん論』(朝日新聞出版)がある。

 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事