ネットに溢れる情報には"意外な落とし穴"も…医師が解説「こむら返り」を防ぐ栄養素の《黄金比率》

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私はいつも「牛乳+バナナのセット」はおすすめしているのですが、牛乳には水分とカルシウムが、バナナにはカリウムやマグネシウムが含まれており、手軽に電解質を補える理想的な組み合わせです。

また、味つけの濃い料理が好きな方は、カリウム不足に注意しましょう。なぜなら、塩分(ナトリウム)をたくさん摂ると、体はバランスをとろうとして、カリウムをどんどん排出してしまうからです。反対に、カリウムを多く摂ると、今度はナトリウムの排出量が増えます。

つまり、カリウムとナトリウムはまるでシーソーのように、一方が多くなると、もう一方が減りやすいという性質を持っているということですね。

こむら返りを予防するための食事で大事なのは、「これだけを摂ればいい」ではなく、複数のミネラルをバランスよく摂ること。また、マグネシウムも重要ですが、意識して摂りたいのは「カルシウム」です。

先ほど、筋肉の収縮と弛緩には複数のミネラルが連携して働くとお伝えしましたが、そのなかでも中心的な役割を担っているのがカルシウムだからです。

「骨の材料」というイメージが強いカルシウムですが、心臓や骨格の筋肉を動かすための収縮機能、神経から筋肉への信号を伝える神経筋伝達、ホルモンの分泌調整など、その役割は多岐にわたります。こむら返りを予防するためにも、カルシウムは重要なミネラルのひとつといえるでしょう。

ちなみに、牛乳1杯200mlには、125mg程度のカルシウムが含まれており、これは1日の必要摂取量(成人男性700~800mg、成人女性650mg)のおよそ5分の1から6分の1にあたります。「牛乳+バナナのセット」がいかに優れた「電解質チャージ」の組み合わせか、おわかりいただけますよね。

スルメなどの干物は「塩分過多」がマイナス要素

便秘がちな方や高齢者の方には、酸化マグネシウムの薬が処方されることがあります。

たしかによく効く薬ではあるのですが、マグネシウムをあまりに摂りすぎると「高マグネシウム血症」という病気になり、場合によってはマグネシウムが体外に排出されなくなってしまいます。その結果、極端なケースでは、認知症のような症状が急激に進行してしまうこともあるのでご注意ください。

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