ソフトバンクグループがインテルへ3000億円出資、「逆張りの賭け」「アメリカへの一極投資」に期待と不安

[東京 19日 ロイター] - 米半導体大手インテルへの20億ドル(約3000億円)出資を巡り、ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長の決断は「逆張りの賭け」との声が専門家から出ている。
同社は今年に入り、米国の人工知能(AI)インフラの「スターゲート」計画のほか、米オープンAIへの大型出資を発表しているが、インテルに関しては経営不振が続いており、これまでの投資とは位置付けが少し異なるからだ。
入り混じる成長期待と不安の声
米国に集中投資し、トランプ政権と一蓮托生(いちれんたくしょう)することに市場関係者からは成長期待と不安の声が入り混じる。
東京株式市場では同社株は昨日まで連日、上場来高値を更新し直近2カ月で約2倍に高騰、市場全体を引っ張ってきた。アナリストの間でも、先月末から目標株価の上方修正が続出。SBI証券は目標株価を1万4400円から1万5000円に見直したほか、モルガン・スタンレーMUFG証券は従来の8000円から1万5000円へと2倍近くに引き上げた。
株価上昇の要因は、AI投資への期待感だ。同社は保有する通信株を手放す一方、AI向けデータセンターを手掛ける米オラクル株を取得。さらに3月に米半導体設計のアンペア・コンピューティングを65億ドルで買収すると発表したほか、4月には生成AIの大本命である米オープンAIへの最大300億ドルの追加出資を公表した。