ソフトバンクグループがインテルへ3000億円出資、「逆張りの賭け」「アメリカへの一極投資」に期待と不安

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もっとも、インテルに関しては業績低迷が続き、大規模な人員削減にも着手するなど、前述の企業群とは立ち位置は違う。SBI証券の鶴尾充伸シニアアナリストは「AI向けの半導体で出遅れ、かつての輝きは失われており、(SBGが収益を確保するには)足の長い投資にならざるを得ないはずだ」と語る。

トランプ政権が経営支援を目的に、インテルへの出資を検討していると報じられていたこともあり、ある国内証券のアナリストは「まるで両者が連携して動いているように映る。米国で円滑にビジネスを進めるためには、政権との“お付き合い”は仕方ないのだろう」と推測する。

独立系調査会社ニュー・ストリート・リサーチのアナリスト、ロルフ・バルク氏は、今回の出資について「今後数年間で業績回復が実現するという孫氏の信頼の表れだ」と話す。「孫氏による逆張りの賭けだ」としながら、(金額を考慮すると)下振れリスクはかなり限定的だと指摘した。

19日の同社株は一時5%超下げ、終値は前日比670円安の1万6035円だった。「最近の株価の上昇ペースがあまりに早かっただけに利益確定売りが出たのだろう」ーーSBI証の鶴尾氏はこう語る。市場は孫氏の決断の妥当性を見極めている最中だ。

まさにオールイン状態、財務負担重く

SBGが今後予定する米国への投資規模は極めて大きく、まさに「オールイン(全賭け)」状態と言ってよい。スターゲートには5000億ドルを投資する計画で、2017年に立ち上げたビジョン・ファンドの運用額(約1000億ドル)を大幅に上回る。

外部資金も活用するとはいえ、同社にのしかかる財務負担は重い。ちょうど先週、米半導体大手エヌビディアが出資するAI関連企業の米コアウィーブの株価が急落し、いわゆる「コアウィーブ・ショック」が市場の話題を集めたばかりだ。AI市場の拡大の道のりは決して平たんではない。

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