「魔が差せば簡単に起きる」「モラルではなく構造の問題」などの声が…。ミニストップ「消費期限偽装」が"痛恨の失態"すぎるワケ

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一般的な諸問題、ミニストップの問題

当事案については原因の調査中である。そこで一般論として問題点を述べる。このうちどれか、あるいは複数が原因になった理由があるだろう。

まず廃棄ロスが負担になる点だ。店舗は廃棄時に商品ロス分の費用を負担する。店内調理はそれにかかる調理費もかさむ。どんどん捨てたくなるインセンティブは店側にはない。

つぎに人手不足だ。調理する、売れない、廃棄する、また調理する……というサイクルのなかで、つい廃棄を怠る心理的動機は想像・予想できる。また人手不足にともなう教育やトレーニング不足、食品安全・衛生に費やす時間不足などがあげられる。

さらに管理体制として本部からの監査・管理体制に不備があり、不正をふせぐプロセスが十分に整備されていなかった可能性が高い。

ここから一般論をミニストップの問題に移行する。同社において、他チェーンと差別化を図っていた戦略的な商品が「店内での手づくり調理」そのものだった。「できたて、手づくり」が今回の事案でダメージになったのは皮肉といえる。

個人的な話だが、朝にランニングする帰り道にミニストップがあって、非常に愛用している。ミニストップにいった経験のある消費者なら、店員がなんでもやっている難易度の高いオペレーションに刮目しただろう。私は、ポテトしか店内調理の商品は購入したことがないものの、手間がかかっているのは事実だ。

店内調理はアナログだから、どの商品が不正にラベリングされたかを特定し、対象を限定して回収できなかったのも不幸だった(もちろん莫大な時間をかけて店内カメラを分析すればいいのだろうが)。

ミニストップ
公式サイトでは、人気番組で8品合格したことを喜ぶページも/出所:ミニストップ公式サイト
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