《映画歴代興行収入ランキング》4位に『鬼滅の刃』の衝撃!『国宝』はTOP50入りも、“TOP10に邦画実写ゼロ”。2つのランキングから傾向を解説
その後、17位の『すずめの戸締まり』(2022年/149.4億円)、19位の『天気の子』(2019年/142.3億円)と150億円に迫るスーパーヒットを2作続けて送り出している。オリジナルアニメで大ヒットを連発する稀代の作家であり、映画業界の信頼も厚い。
これまで3〜4年に1本のペースで新作を公開してきており、来年もしくは再来年の夏あたりに次作の封切りが期待されるが、1作目のあと、2作目、3作目の評価は割れており、真価が問われる作品になりそうだ。
もともと新海誠監督はインディペンデントのアニメ作家として熱烈なコアファンに支持されていたが、東宝と組んだメジャー第1弾『君の名は。』で一般層向けの作品性に舵を切ったことが、一部のコア層離れも呼んだ。メジャー4作目でのクリエイティブの原点回帰への期待も高まっているようだ。
ディズニー帝国の逆襲がはじまるか
最後のひとつが世界のディズニー作品。ファミリー層からの支持をベースに、若い世代のデートムービーとしても人気を得ている。5位の『アナと雪の女王』(2014年/255億円)をはじめ、TOP100に9本がランクインしている。
29位に『アナと雪の女王2』(2019年/133.7億円)、38位に『ファインディング・ニモ』(2003年/110億円)、43位に『トイ・ストーリー3』(2010年/108億円)、49位に『トイ・ストーリー4』(2019年/100.9億円)、61位に『モンスターズ・インク』(2002年/93.7億円)、67位に『ベイマックス』(2014年/91.8億円)、73位に『モンスターズ・ユニバーシティ』(2013年/89.6億円)、98位に『ズートピア』(2016年/76.3億円)がある。
一方、コロナ禍と前後して、ポリコレや文化・人種の多様性への過度な配慮が目立つ作風が矢面に立ったほか、日本では一時期、ディズニープラスでの配信と劇場公開のタイミングを巡る興行側との軋轢も生じ、2020年代は50億円を超えるヒットがなかなか生まれない苦境が続いていた。
しかし、昨年から今年にかけて、息を吹き返すように『インサイド・ヘッド2』(53.6億円)、『モアナと伝説の海2』(51.7億円)と大ヒットが帰ってきている。
ディズニーは、歴代興収TOP100に実写でも9本をランクインさせており、アニメとあわせると実に18本(合併前のFOX作品は含まず)の実績を持つ。本国のトップ交代やクリエイティブ体制の見直しを経て、再びディズニー帝国の時代が到来しつつあるのかもしれない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら