「モールの“無料駐車券”をゲット!」「メルカリにも大量出品」SNSで話題…駐車場にある“使われなかった駐車券”の拝借は不正利用になる?

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

見知らぬ人からの好意なのかもしれないが、このような形で駐車場の「無料券」を利用することに問題はないのだろうか。消費者問題に詳しい弁護士に見解を聞いた。

「施設の本来の意図と異なる利用」にはトラブルの芽も

——一定の買い物をした場合に渡される「無料駐車券」には「転売・譲渡禁止」が明記されているケースとそうではないケースがあるようです。無料券に「譲渡禁止」の記載があるような場合をのぞき、支払い機に置かれていた無料券を利用することには法的にどんな問題がありますか。

ショッピングモールの駐車場で、ゲート前に無料駐車券が山積みになっている光景を見たことがある人もいると思います。

「買い物をしたお客様」に配られるはずの券が、なぜか誰でも取れる状態になっています。とりたてて注意を呼びかける表示もなく、「ラッキー」とついつい使いたくなる気持ちはわかります。

さて、法的にみると、この無料券は本来、特定の条件を満たした人(買い物客等)へのサービスです。

「譲渡禁止」や「当日ご利用のお客様限定」などと明記されていれば、条件を満たさない利用は契約違反や不当利得(民法703条)にあたる可能性があります。

さらに、買い物をしたように装って使えば、詐欺罪(刑法246条)の構成要件に近づくことも。落ちていた券の場合は、占有離脱物横領罪(刑法254条)や窃盗罪(刑法235条)の検討余地もあります。刑事事件に問うのはなかなか難しいところですが。

一方で、とくに譲渡禁止などの表示がなく、運営側が誰でも自由に取れるように放置している場合は、違法性は低めです。

ただし、施設の本来の意図と異なる利用には変わりありません。後でトラブルになれば、少額でも面倒なことになります。

結論としては、表示や条件を確認し、対象者でなければ使わないのが安心です。施設側も券の管理を徹底すべきですが、利用者側も「ちょっとくらい」の誘惑を避けて、ルールに沿った利用を心がけましょう。

事務所からショッピングモールにでも行ってビールでも買います。

弁護士ドットコムの関連記事
甲子園取材の裏で「美談探しに疲弊」「球児からセクハラ」 記者5人が語る「聖地」の不都合な真実
辻希美&杉浦太陽「夢空」ちゃん命名に賛否 行き過ぎた批判は「名誉毀損」の可能性も 弁護士が注意喚起
東京ドームライブ帰りに「ぶつかりおじさん」被害→女性たちで取り押さえ 負傷女性が語った恐怖の瞬間

弁護士ドットコム
べんごしどっとこむ

法的な観点から、話題の出来事をわかりやすく解説する総合ニュースメディアです。本サイトはこちら。弁護士ドットコムニュースのフェイスブックページはこちら

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事