【朝ドラ】やなせたかし、長所に気づくきっかけとなった手塚治虫からの電話とは

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さらに、やなせは考えた。キャラクター作りは、映画のキャスティングにも似ている、と。ただ、どんな美男美女も作れれば、モンスターさえも誕生させられる点が大きく異なる。すべて自分のイメージ次第。それだけに失敗したときに、作品に与えるダメージも大きい……と気を引き締めた。

キャラクター・デザインはいくらか自分に向いている

仕事を続けているうちに、やなせは重要な気づきを得ることになる。

「ぼくはキャラクター・デザインというのはいくらか自分に向いているのではないか、と思うようになった。シナリオを読んでいると、いつのまにかその人物が、ぼくの頭の中で生命のある実像に変化していく。これは小説を読んでいて、その主人公が自分なりにひとつのイメージとして定着してくるのとおなじである」

自分の漫画家としての強みは何だろうか――。それを探し続けてきたやなせにとって、一筋の光が差し込もうとしていた。後年、やなせは『アンパンマン』だけで、約2000ものキャラクターを誕生させることになる。

(つづく)

【参考文献】
やなせたかし『人生なんて夢だけど』(フレーベル館)
やなせたかし『ボクと、正義と、アンパンマン なんのために生まれて、なにをして生きるのか』(PHP研究所)
やなせたかし『何のために生まれてきたの?』(PHP研究所)
やなせたかし『アンパンマンの遺書』 (岩波現代文庫)
梯久美子『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』 (文春文庫)
真山知幸『天才を育てた親はどんな言葉をかけていたのか?』(サンマーク出版)

真山 知幸 著述家

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まやま ともゆき / Tomoyuki Mayama

1979年、兵庫県生まれ。2002年、同志社大学法学部法律学科卒業。上京後、業界誌出版社の編集長を経て、2020年独立。偉人や歴史、名言などをテーマに執筆活動を行う。『ざんねんな偉人伝』シリーズ、『偉人名言迷言事典』など著作40冊以上。名古屋外国語大学現代国際学特殊講義(現・グローバルキャリア講義)、宮崎大学公開講座などでの講師活動やメディア出演も行う。最新刊は『大器晩成列伝 遅咲きの人生には共通点があった!』( ディスカヴァー・トゥエンティワン ) 、『ひょんな偉人ランキング ―たまげた日本史』(さくら舎)。「東洋経済オンラインアワード」で、2021年にニューウェーブ賞、2024年にロングランヒット賞受賞。
X: https://twitter.com/mayama3
公式ブログ: https://note.com/mayama3/

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