【朝ドラ】やなせたかし、長所に気づくきっかけとなった手塚治虫からの電話とは
さらに、やなせは考えた。キャラクター作りは、映画のキャスティングにも似ている、と。ただ、どんな美男美女も作れれば、モンスターさえも誕生させられる点が大きく異なる。すべて自分のイメージ次第。それだけに失敗したときに、作品に与えるダメージも大きい……と気を引き締めた。
キャラクター・デザインはいくらか自分に向いている
仕事を続けているうちに、やなせは重要な気づきを得ることになる。
「ぼくはキャラクター・デザインというのはいくらか自分に向いているのではないか、と思うようになった。シナリオを読んでいると、いつのまにかその人物が、ぼくの頭の中で生命のある実像に変化していく。これは小説を読んでいて、その主人公が自分なりにひとつのイメージとして定着してくるのとおなじである」
自分の漫画家としての強みは何だろうか――。それを探し続けてきたやなせにとって、一筋の光が差し込もうとしていた。後年、やなせは『アンパンマン』だけで、約2000ものキャラクターを誕生させることになる。
(つづく)
【参考文献】
やなせたかし『人生なんて夢だけど』(フレーベル館)
やなせたかし『ボクと、正義と、アンパンマン なんのために生まれて、なにをして生きるのか』(PHP研究所)
やなせたかし『何のために生まれてきたの?』(PHP研究所)
やなせたかし『アンパンマンの遺書』 (岩波現代文庫)
梯久美子『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』 (文春文庫)
真山知幸『天才を育てた親はどんな言葉をかけていたのか?』(サンマーク出版)
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