浜田宏が「アルヒ」でやろうとしていること 「グーグルよりも働きやすい会社を目指す」

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――ところで60歳になったときの姿をどう描いていますか。

今56歳ですが、まったく描いていません。歳を取れば取るほど、人生設計がどうでもよくなってきた。今日と明日しか考えていないですね。ただ、会社の姿という形でいえば近いうちに上場して私の後継者が育ち、私が実務を離れても私のとき以上に成長する仕組みに持って行きたいですね。

――これまでの経営者として経験を振り返ってみると、浜田氏が育てた後継者に、直接バトンを渡したことがないですね。

育てた人が社長にはなっているのですが、タイミングとしては、自分の2代下で社長になったり別の会社で社長になったりといった人ばかりですね。今度は、しっかりと後継者を育成して直接バトンを渡したいですね。

「前向きに取り組める仕事」がいちばん幸せ

――若いビジネスマンに対して、なにかアドバイスはありますか。

大企業のサラリーマンや役員もやったし、外資系企業の社長や小さな起業もやりましたが、私は産業界のなかでは変わり者で、メインストリームではありません。ですから、アドバイスできるようなものはないのですが、どんな仕事でも、頑張って前向きに取り組める仕事であれば、それがいちばん幸せだと思います。大手上場企業で一生を終えるのもいいし、一方で起業をするというのでもいい。

今は、グローバル人材になれないと負け犬だとか起業しないと度胸がないとか言われるが、そんなのはどうでもいい。自分にあった好きなことをやれ、多様な生き方をしてほしいと言いたい。私がいろいろ経験した結果、辿りついた大切なことは、楽しく生き生きとしている人生であること。楽しく生き生きしていると、周りの人もハッピーになる。そんな人生を目指してほしいですね。

大河原 克行 ジャーナリスト

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おおかわら かつゆき

1965年、東京都出身。IT業界の専門紙である「週刊BCN(ビジネスコンピュータニュース)」の編集長を務め、2001年10月からフリーランスジャーナリストとして独立。IT産業を中心に幅広く取材、執筆している。現在、ZDNetの「大河原克行のエンプラ徒然」(朝日インタラクティブ)、PC Watchの「パソコン業界東奔西走」(Impress Watch)、クラウドWatch、家電Watch(以上、Impress Watch)、ASCII.jp (KADOKAWA)、日経トレンディネット(日経BP社)などで定期的に記事を執筆。著書に、「ソニースピリットはよみがえるか」(日経BP社)、「松下からパナソニックへ」(アスキー・メディアワークス)、「図解 ビッグデータ早わかり 」(中経出版)など。

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