浜田宏が「アルヒ」でやろうとしていること 「グーグルよりも働きやすい会社を目指す」

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――アルヒになってからも、SBIモーゲージ時代から継承したことはありますか。

若い会社ですから、スピードがあります。仕事が速いのは強みです。また、みんなが協力しあう体質があります。個人プレーよりも、チームプレーを重視する文化が特徴ですね。この2つは、変えずに生かさなくてはいけない部分だと感じています。

住宅ローンは、書類が多く、複雑です。役所に行って印鑑証明をもらったり、必要書類を揃えたりといった手間もかかります。全員が協力して、長い、緻密なプロセスを処理していくのが、基本的な仕事の仕方です。裏を返せば、業界自体に、スタープレーヤーが生まれにくい体質があるといえます。1人の営業マンが、急に3倍も案件を取ってきて、一気に売り上げをあげたということもないわけです。当社の場合、社員の7割が事務職で、数多くの書類をチェックし、審査や契約にかかわる作業を、助け合いながら行っていくことになります。個人プレーに入る人はいませんし、素直だし、若いし、派閥もない。純粋な文化があります。

グーグルより働きやすい会社にしたい

浜田 宏(はまだ ひろし)/1959年5月30日 東京都生まれ。1982年3月 早稲田大学卒業。1991年12月、米国アリゾナ州サンダーバード国際経営大学院国際経営学修士課程修了。1982年4月に、山下新日本汽船(現・商船三井)に入社。その後 AIGグループ アリコジャパン(現・メットライフ生命保険)を経て、米シリコンバレーのクラーク・コンサルティング・グループに入社。同社在籍中の1993年6月に、米デルの日本法人立ち上げに参画。 1995年1月には、デルコンピュータ(現・デル)に移籍。2000年8月からデル日本法人の社長兼米本社副社長に就任。2006年5月からは、リヴァンプ代表パートナーに就任。2008年4月には、HOYA執行役最高執行責任者に就任。2015年1月にSBIモーゲージ顧問に就任。2015年5月、アルヒ会長兼CEOに就任。2015年9月に会長兼社長 CEO兼COOに就任した

こうした文化を生かしたうえで、上場を目指すために管理や、ルールや内部統制などを徹底したところです。

チームプレーが大切な会社ですから、私は日本一、いや世界一働きやすい会社を目指しているんです。グーグルよりも働きやすい会社にしたいのです。

――きやすい会社を目指して、具体的にはどんなことに取り組んでいますか。

たとえば、人事制度を見直して、土日だけとか、夜間のみ勤務する社員、一日に3時間だけ勤務する時短社員といった新たな勤務制度の導入を検討しています。そして、学生からシニアまで誰でも働ける多様性を持った環境を作りたい。すでに、契約社員の最年長は73歳です。

住宅ローンにかかわる事務の仕事をやってもらっています。席に70歳以上の社員がズラっと並んでいてもかまわないと思っているんですよ。外国人だけで構成される10カ国語対応コールセンターを国内に作ってもいい。すでに、コアタイムを午前10時~午後4時30分だったのを、午前11時~午後3時30分にまで短くしました。そうするとママさんも、子どもを預けてから、家で支度をしてから出社できるようになります。

アルヒが掲げた「住生活サービス企業」というコンセプトが好きで会社の文化が好きで、チームワークで働いてくれてやる気があって能力があるのならば、年齢、国籍、性別はまったく関係ない。産休は何回でもあり。執行役員の産休もOK。そういう会社にしようと考えています。

みんなで助け合う仕事なので、気持ちよく長く働いてほしいというのが私の願いです。本社は、六本木ですが、目指しているのは「明るい農村」の雰囲気(笑)。自分も経験してきましたが、個人同士が勝ち負けを競い、100人中数人しか勝ち残れないという会社にはしたくありません。

人事制度についてはまだ構想段階のものも多いのですが、社内にはダイバーシティ委員会を設置し、さまざまな角度からの検討も行っています。これからどんどん実行に移したいと思っています。

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