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「十条駅前にできたタワマンの一部が廃墟化している」との噂が…。現地を訪れた私が見た光景と、ネットではわからない"意外な真実"

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  • 谷頭 和希 都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家
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原風景としての「タワマン」

十条のタワーマンションを訪れながら、現地の様子をお伝えしてきた。

タワマンがメディアに取り上げられるときは、どうしても、とかく拙速に「良い/悪い」という価値判断的な思考になってしまいがちである。特に近年ではタワマンの部屋を外国人が投機目的で買っていることから、一気にそれが政治マターになりつつある。十条のタワマンでもこうした問題は顔を出していて、それはそれとして考えなければならない問題であることは確かだ。

ただ、そうした思考の外から一歩踏み出してそこで広がる光景を見てみれば、そこには単なる肯定/否定だけでは語れない人々の暮らしがあることも確か。子どもにとってはそこが原風景だし、そこには祭りも根付いていくだろう。そして、今回取り上げた商業施設も、いずれはテナントで埋まり、地域の人に愛されるはずだ(と信じたい)

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以前、漫画家のかつしかけいたさんにインタビューしたときのこと。かつしかさんは、東東京を中心にそこで暮らす人々の生活をシンプルなタッチで描いている。そんなかつしかさんが日暮里のタワーマンションの話をしてくれた。

かつしか:「さっき、日暮里のタワマンに行ったじゃないですか? そこに広場みたいなスペースがあって、夕方に子どもたちがすごく楽しそうに遊んでいて。それを見た時に、この子たちにとっては、もうこのタワマン前の広場が子ども時代の原風景になるんだな、と思って」

谷頭:「昔でいう空き地ですよね。『ドラえもん』に出てくるような」

かつしか:「この子たちが大人になったら、そのタワマンの風景も懐かしく思うんだろうなと」

結局はそういうものなのだろう。

十条のタワーマンションはこれからもそこに立ち続ける。そしてそれは、人々の生活の「一部」になる。では、それはどのように十条という街を変えていくのか。定点観測を続けていきたい。

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