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「十条駅前にできたタワマンの一部が廃墟化している」との噂が…。現地を訪れた私が見た光景と、ネットではわからない"意外な真実"

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  • 谷頭 和希 都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家
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タワマンと溶け合っていく十条の暮らし

4階に上がると、広場のようなものが広がっていた。芝生が敷き詰められている。決して広くはないけれど、小さな子どもが遊ぶには十分だ。うだるほどの暑さだったが、一組の親子がベンチに座って遊んでいる。タワマンにも、生活がある。

広がる芝生広場(筆者撮影)

ここから十条駅が見下ろせる。駅前の広場には祭りの櫓(やぐら)が立っていた。商店街を歩いているとき、「王子神社祭礼」というのぼりをたくさん見た。夏祭りなのだろう。

駅前広場に作られた、まつりの櫓(筆者撮影)

ピカピカした広場に昔ながらの櫓が立つ風景が、面白い。肯定するにせよ否定するにせよ、十条の風景は、これからタワマンが欠かせなくなっていく。昔ながらの祭礼も、いつもの暮らしも、タワマンとかつての風景が溶け合っていく。

新しい建物と、祭りの櫓と(筆者撮影)

この場所にあった小さな商店を見て、使ってきた私にとっては、確かに十条にタワマンができるのはなんだか違うな……と率直に思うし、そこのモールがガラガラなのを見ると悲しくなる。

ただ、それは結局、私のノスタルジーなのかもしれない。今を生きる子どもたちにとっては、このタワマンの風景こそが原風景であって、ここが馴染みの地なのだ。

それを「廃墟」だなんだと外野がいうことは、良いことなのだろうかと、思わず自問した(まあ、これだけ強い商店街が近くにあるのに、わざわざモールを作る必要があったのかと、マーケティングに疑問を抱く面は残ったのだが、それは別の話だろう)。

低層の住宅街とタワマン。これが、十条の風景になっていく(筆者撮影)

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