ジム・ロジャーズ「高値になっている『オルカン』には『リスク』がある」、株の時代が終わろうとしている今、次に投資すべきものは何か
新興国と聞くと難しそうですが、実は、現地のインフラ関連や銀行など、投資先もシンプルに探せる場合も多いのです。これに対して、日本など成熟している国の場合は、逆に上場している企業数も多く、将来大きく上昇が見込めそうな有望な投資先を個人が探すことは、意外に簡単ではありません。
「コモディティ・スーパーサイクル」の時代が到来する
このほかにロジャーズ氏は金や銀などのコモディティにも注目をしています。特に銀は過去最高値と比べて30%程度割安ということで、つい最近も買い増したと言います。確かに銀のチャートを見ると、この1年でジリジリと上がり続けています。ロジャーズ氏はこの数年で金と銀はさらに高くなると確信しており、金価格が下落する局面があれば買い増したいと言います。
ロジャーズ氏はこう言います。
「インフレ時代の投資先として、コモディティ(商品)に注目すべきだ。商品には原油やガソリンなどのエネルギー、金や銀、銅やリチウムといった貴金属、トウモロコシや大豆などの穀物などがあり、私は長期に渡って、商品に注目し投資を続けてきた」
「株式と商品の相場は、株式が上昇するときには商品が下がり、商品が上がるときには株式が下がる、という逆相関の関係にある。過去の推移から、およそ18年のサイクルで両者の優位性が入れ替わることがわかっている。たとえば、20世紀の1906年から1923年にかけては、商品が上昇し株式は行き詰まっていた。その後の1920年代は逆だった」
「現在は、長く続いた『株式の時代』が終わり、再び『商品の時代』へ向かおうとしている。商品の大上昇相場である「コモディティ・スーパーサイクル」の時代が到来しようとしている。ポートフォリオを見直し、ある程度の商品を組み入れておくことをお勧めする」
「歴史的にみても、商品への投資はインフレや株式の下落に対しヘッジできる。物価が上昇すれば商品の価格も上昇するので、資産の目減りを防ぐことにもなる。株式や債券とは逆相関の関係で、異なる値動きをすることが多いので、株価が下がった分を補ってくれる分散投資としても有効だ」
ロジャーズ氏の投資法は「安く買って、高く売る」です。最高値にある株式ではなく、割安な状態で放置されている資産も少なくない、コモディティに注目をしています。
筆者も2019年からロジャーズ氏にインタビューを続けており、ポートフォリオにコモディティを加えていますが「コロナショック」「ウクライナショック」などの数々の危機を経ても、金や銀などはポートフォリオを守ってくれ、株式の下落を緩和してくれる効果を感じています。
また、超富裕層の資産運用を見ていても、やはり金を保有している方が多いと感じます。オルカン1本に投資対象を集中させすぎている方は、違う値動きをする金融商品や、今後発展しそうな地域にも注目をしてみてもよいかもしれません。
当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら