上下どちらにも振れる可能性のある日経平均、「荒れると言われる9月相場」で、「個人投資家がやるべきこと」は決まっている

2014年8月にスタートしたこのコラム(原則隔週月曜日掲載)も、読書の皆様のご支援に支えられ、ここまで続けることができており、心から感謝申し上げたい。12年目となり、そろそろ300回を数えるとのことだが、今後も節目を捉えて、兜町生活55年の経験値をしっかり伝えて行きたいと思う。
「日経平均PER」が17倍台を維持できている理由
さて、前回の「日経平均に漂い始めた『バブル上昇開始』の匂い」(8月18日配信)は、史上最高値を更新しているとはいえ、PER(株価収益率)の限界に押さえられている日経平均株価を見て、「(営業日でみて)5日連続17倍台となっている日経平均の予想PERに注目したい」で終わったが、その後もPER17倍台は続いており、先週末(8月29日)で15日連続となっている。
PER(株価収益率)は言うまでもなく、現在の利益水準が続いた場合に投資資金を回収できる年数であり、「PER17倍」は17年間で投資資金を回収できるという「期待値」だ。
利益が現在より高くなると考えられる成長株では30~40倍となってもおかしくないが、低成長の日本の日経平均は少し前までは15倍台が限界と考えられてきた。
しかし、PERは単なる割安・割高の指標ではない。PERは「投資家の未来予測を数値化したもの」だ。事実、4月の「トランプ関税ショック」で3万円近くまで急落した日経平均とともに、PERは一時12倍台まで低下した。だが、その後再び15倍台に戻る過程で、日経平均は4万円にタッチした。
それでも、5月22日~7月22日まで43日間も続いた15倍台の時間軸では、6月30日の4万0852円が限界だった。「ゾーン変更」が起きたのは15倍台のコンセンサスが突破された7月23~8月7日の12日間の16倍台だ。8月4日の下げで止まったのも16倍台のPER(期待値)が維持されたからだ。そしてその16倍台の時間軸も突破され、17倍台の時間軸で起きている現象が日経平均の史上最高値だ。
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