上下どちらにも振れる可能性のある日経平均、「荒れると言われる9月相場」で、「個人投資家がやるべきこと」は決まっている
しかも、投資家心理をさらに複雑にしているのが、不透明感はありながらもアメリカの利下げと日本の利上げが交差する中でのドル円相場の不思議な安定だ。
もし円高予想に反して1ドル=150円を超える円安となったら、現在保守的に出ている日本の企業業績予想が回復し、日経平均予想EPS(1株当たり利益)が上がってきたら、カネ余り状態が続く市場は、業績相場と金融相場のダブル相場になる可能性もある。
このように、条件次第だが、9月相場は低調な相場どころか上下にダイナミックに動く月となる可能性もある。
外国人投資家の動向は8月第3週(18~22日)に財務省・東京証券取引所ベースでともに売り越しとなって、外国人投資家の連続買い越しがストップしたが、これも「一部のファンドの利益確定による一時的現象」か、「本格的な売り越しトレンドに変わるシグナル」とみるかで、相場への影響度は天と地ほどに違う。その上下動がPER17倍台の壁を突き破るきっかけになる可能性もあり、9月相場次第で年末相場の景色は大きく変わってくる。
相場が下がれば「買い」、下がらなければ無理して買うな
アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は2日の8月ISM製造業景況指数、3日の7月雇用動態調査JOLTS求人件数、地区連銀経済報告(ベージュブック)、4日の8月ADP雇用レポート、8月ISM非製造業景況指数、5日の8月雇用統計などで、FOMCの政策データを集める。
その数字次第では、相場は大きく動く可能性がある。しかし多くの個人投資家は、慎重に利益確定を進め、売り上がってきたため、潤沢なキャッシュを持っている。
もし「波乱の9月」となって相場が下がれば、単に買えばいいだけだ。むしろ問題は、下がらず上がればどうするかだ。だがその答えも簡単、「下がらなければ買わないだけ」だ。
「押し目を待った8月」が外れ、「低調な9月」も、下がらず外れたら、「上昇期待の10月」も逆に外れて下がるかもしれない。相場は上がるときもあれば下がるときもある。そして相場は人々の裏をかく。下がらなければ無理して買ってはいけない。それができるのが個人投資家であり、上昇時に「持たざるリスク」を抱えるファンドとは違う。30年ぶりの愉快なインフレ相場は、明日の2日以降も続く。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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