バトルシップ(Battleship) --日本も学ぶべき“吹っ切れた”100周年記念の戦略《宿輪純一のシネマ経済学》
このことは「経済政策」でも非常に大事なことである。100%完全なことはありえない。だったら、強みに注力することが大事な戦略となる。TPPにしたってそうである。小選挙区をベースとした政治制度で、100%の満足はありえない。最大の価値を引き出すためには、強みに注力することが不可欠になる。そして、そのような決断こそ、経営であり、政治であるのでは、と考える。日本経済で最も必要なのはここである。100%の満足を目指すと、逆に100%から落ちてくるのである。しかも、何もできないデッドロックとなる。
その点で、この“破壊的な盛り上がり映像”に集中し、過度なフォローをしなかったユニバーサル映画の英断は、賞賛に値すると考える。
ところで、この映画を鑑賞するうえで、1つだけ、あえて言わせてもらいたい。エンディングロールが終わっても席を立ってはダメですよ。ハリウッド映画ですから!
4月13日公開。
しゅくわ・じゅんいち
博士(経済学)・映画評論家・慶應義塾大学経済学部非常勤講師・ボランティア公開講義「宿輪ゼミ」代表。1987年慶應義塾大学経済学部卒、富士銀行入行。シカゴなど海外勤務などを経て、98年UFJ(三和)銀行に移籍。企画部、UFJホールディングス他に勤務。非常勤講師として、東京大学大学院(3年)、(中国)清華大大学院、上智大学、早稲田大学(5年)等で教鞭。財務省・経産省・外務省等研究会委員を歴任。著書は、『ローマの休日とユーロの謎』(東洋経済新報社)、『通貨経済学入門』・『アジア金融システムの経済学』(以上、日本経済新聞出版社)他多数。公式サイト:http://www.shukuwa.jp/、Twitter:JUNICHISHUKUWA、facebook:junichishukuwa ※本稿の内容はすべて筆者個人の見解に基づくもので、所属する組織のものではありません。
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