バトルシップ(Battleship) --日本も学ぶべき“吹っ切れた”100周年記念の戦略《宿輪純一のシネマ経済学》
ハワイ沖での環太平洋合同演習(RIMPAC/リムパック)中に、アメリカ海軍や日本の自衛隊の「戦艦」が、謎のエイリアンの母船と空飛ぶ武器による攻撃を受け、お約束であるが地球存亡の危機に立ち向かっていくというハリウッド型SFアクションの“真骨頂”。
アメリカ海軍の新人将校アレックス(テイラー・キッチュ)は、日本の自衛艦みょうこうの艦長ナガタ(浅野忠信)をライバル視しながら演習に参加した。そのさなか、沖合で正体不明の巨大物体が発見される。
科学者を中心とした人類からの友好的な呼びかけに応じて現れたエイリアンと信じていたが、彼らは突如として謎の武器で攻撃を仕掛けてくる。これもお約束であるが圧倒的に強く、人類の武器は歯が立たない。
その後、世界の都市が破壊され、『世界侵略:ロサンゼルス決戦』『スカイライン』の海上版のような絶望的な様相を呈してくる。しかし、本作も、人と人との絆と英知と度胸で道が開けてくる……。
筆者は、本作に出演している浅野忠信が好きである。この映画でも超若い艦長役で傷だらけで熱演している。彼は1973年生まれで祖父が米国人。90年に映画デビューしたが、最初は自らの個性を生かすためインディーズのようなマイナー映画ばかり出ていた。
その後、実力が認められ、筆者の友人の日向寺太郎が2005年に撮った『誰がために』あたりからブレーク。『母べえ』『ステキな金縛り』『これでいいのだ!! 映画★赤塚不二夫』などの大作にも出演するようになってきた。