「水原一平事件がついにドラマ化へ!」キャスティング難が予想される大谷翔平選手と真美子夫人、提訴すれば製作は止められる?
また、後述するように、実話ものではノンフィクション本や記事などが「原作」になっていることも多い。その場合、脚本はそれらを「脚色したもの」という扱いになる。水原一平事件のドラマに原作本はないが、記事は多数ある。
製作陣は、すでに大量のリサーチを行ってきたとのこと。プロデューサーのアルバート・チェンは「SportsIllustrated」で野球の記事を書いてきたほか、「MLBNetwork」にも貢献してきており、知識は非常に豊富と思われる。
では、「名誉毀損」で訴えるのはどうか。それは作品ができてからの話だ。作品を見た結果、事実を無視した、悪意にもとづくでっちあげの内容が描かれており、そのせいで自分の評判が貶められ、肉体的、精神的、あるいは経済的損失が出て、はじめて提訴となる。大谷選手はアメリカで愛されるスーパースターであり、この事件の被害者なので、製作陣が彼をひどい形で描くとは思えず、そうした事態になるとは考えづらい。
あえて当事者の協力を得ないことも
実話にもとづく作品には、もちろん、当事者やその家族の協力を得て製作されたものも多数ある。だが、あえてそうしないことを選ぶことも少なくない。
たとえば、ディック・チェイニー元副大統領の伝記映画『バイス』(2019)。本人や家族を巻き込まなかった理由について、アダム・マッケイ監督は、「本人に話を持ち込んだら、彼に承認するかどうかの権利を与えてしまう。それだと本人が望むバージョンになってしまい、彼が『入れるな』ということは入れられなくなる。それが歴史上実際に起きたことだったとしてもだ。だから僕らは自分たちで膨大なリサーチをし、事実チェックを行った。『正しくない』とされる糸口になりそうな部分もあるだけに、ものすごく入念に調べている」と、アメリカ公開当時、筆者の取材で語っている。
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