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受注残は7兆円!日立の送配電事業"爆走"のナゼ

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日立エナジーが手がける機器は、製品寿命が長いこともあって本質的にはバブル的要素には左右されにくい。ただ足元ではアメリカなどで電力設備の老朽化が進んでおり、この更新需要が旺盛な状況にある。

そこへ乗ってきたのが、2つの巨大な潮流だ。

1つは脱炭素の流れである。国際エネルギー機関(IEA)の2025年版「グローバル・エナジー・レビュー」によると、2024年の発電量は前年比4.2%増加した。

電源別で見ると、太陽光など再生可能エネルギーによる発電が大きく伸びており、電源別の発電割合では石炭に肉薄するほどになっている。環境配慮の高まりやコスト面から、今後もこの流れは止まりそうにない。

こうした中、日立エナジーの顧客であるエネルギー企業も新電源の開発に力を入れているが、再生エネルギーの場合、発電所と需要地は距離的に離れていることが多い。洋上風力を想像すればわかりやすいだろう。

そこで、離れた需要地にむだなく大量に電力を送る方式として注目されているのが高圧直流送電(HVDC)で、日立エナジーはこの領域で世界トップシェアを握る。

変圧器でもシェアトップ

2つ目はエネルギー需要の拡大だ。IEAによるとエネルギー需要は2013年から10年間は年率平均1.3%程度で伸びてきたが、2024年は2.2%へと跳ね上がった。

牽引役は、ほかでもないデータセンターである。クラウド化やDX化からデータセンター自体は増えていたが、何より“ゲームチェンジャー”となっているのはAI向けだろう。

こうした中で昨年あたりから「変圧器不足」が取り沙汰されるようになっている。

昨年3月にはテスラのイーロン・マスクCEOが「来年はAIのトランスフォーマーを動かすトランスフォーマー(変圧器)が足りなくなる。その翌年は電力が足りなくなる」との見通しを示すほど、変圧器は“ホット”な機器になっているのだ。

日立は変圧器でも世界シェアトップ。そこで進行中なのが「業界最大級」と胸を張る巨額投資だ。

旺盛な需要に支えられ、日立エナジーは2030年までに売上高を300億ドルと、2024年度から9割近く増やす意欲的な計画を掲げる。爆増する電力需要を取り込めるのか。熱狂のさなかでも、次への布石を着々と打っている。

本記事はダイジェスト版です。本記事の詳報版は東洋経済オンライン有料版記事「今や日立製作所の“虎の子”、送配電事業が爆増する「2つの大潮流」→1兆円の巨額買収がついに結実、AIバブルで変圧器は投資急拡大」でご覧いただけます。また、日立エナジーCEOインタビュー「【日立の送配電事業】異例の“受注残7兆円”で工場フル稼働→「誰もブームを予想できなかった」日立エナジートップが明かす熱狂の舞台裏」も報じています。

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