セコマも出店!高速道路のSAPAに「コンビニ」が出店する理由とWin-Winな役割

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資料を送っていただいたエリアトラクトの担当者は、休憩施設のコンビニについて次のような見解を述べている。

「SA/PAは、高速道路を走行するお客様が運転途中で休憩する場所であり、一定の安定した立ち寄りが見込まれる。一方で、お盆やゴールデンウィーク、年末年始の交通混雑期のご利用の集中やお土産品の購買ニーズなど、一般市中とは異なる営業環境でもある」

蓮田SAのローソンに置かれた栃木県の土産品(筆者撮影)
蓮田SAのローソンに置かれた栃木県の土産品(筆者撮影)

さらに、NEXCOとコンビニの関係については、次のように話してくれた。

「コンビニ事業者にとって、SA/PAは特殊立地に属する環境だが、各社ともSA/PAへの出店実績を重ねる中で品揃えにも工夫を凝らし、利用客の取り込みに結び付けている。NEXCO側、コンビニ側ともに全体としてはWin-Winの関係につながっていると考えている」

夏限定の「ひんやり」メニューを楽しみつつ

今回のテーマとは関係ないが、2つのコンビニを確認した7月末は、兵庫県丹波市で41.2℃という我が国における最高気温の記録が更新されたタイミングであった。※その後、8月5日に群馬県伊勢崎市が41.8℃で更新

SA/PAは、近年の猛暑に対応するため、夏限定の「ひんやり」メニューを多数用意している。

「冷たい焼き」をアピールする看板(筆者撮影)
「冷たい焼き」をアピールする看板(筆者撮影)

たとえば、鬼平江戸処のコンセプトで知られる羽生PA(上り)では、「冷たい焼き(文字通り冷やしたたい焼き)」「冷やし玉こんにゃく」「冷やし豆乳担々麺」「辛味大根おろしそば」といった涼が取れるメニュー(一部は夏限定商品)が目白押しだ。

筆者はここで、国内でも有数の猛暑地帯として名をはせる北関東のドライブ疲れをとるために、冷やし豆乳担々麺を実食。汗をかきながらスパイスの効いた熱々の担々麺を食べるのとはまったく別の食感を楽しむことができた。

筆者が実際に食べた「冷やし豆乳担々麺」(筆者撮影)
筆者が実際に食べた「冷やし豆乳担々麺」(筆者撮影)

NEXCO東日本では、他の休憩施設でも「涼グルメ」に力を入れており、現代の世情や気候にマッチしたSA/PAの進化はまだまだ続くのだという思いを新たに、江戸情緒あふれる羽生PAを後にした。

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高速道路SA/PAにあるコンビニは、「旅の醍醐味」に「いつもの便利さ」をプラスする、ユーザーにとても嬉しい存在なのである。

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佐滝 剛弘 城西国際大学教授

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さたき よしひろ / Yoshihiro Sataki

1960年愛知県生まれ。東京大学教養学部教養学科(人文地理)卒業。NHK勤務を経て、高崎経済大学特任教授、京都光華女子大学教授を歴任し、現職。『旅する前の「世界遺産」』(文春新書)、『郵便局を訪ねて1万局』(光文社新書)、『日本のシルクロード――富岡製糸場と絹産業遺産群』(中公新書ラクレ)など。2019年7月に『観光公害』(祥伝社新書)を上梓。

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