「積み上げた 俺の処遇を 一瞬で またぎ越えてく 爆上げ初任給」売り手市場に泣く採用担当の悲哀つまった【採用川柳・短歌】

✎ 1〜 ✎ 799 ✎ 800 ✎ 801 ✎ 802
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
こりゃ採用! 決めた学生 ほぼ辞退(東京都 うどんさん)

手応え十分の面接。社内でも高い評価を得て、満を持して内定を出した学生。しかし、その後の連絡で告げられるのは非情な内定辞退の知らせ。そんな人事担当者の天国から地獄へと急降下した心情が、軽快なリズムの中に凝縮されている。採用したいと強く思う学生ほど、他社からも同様に高い評価を受けるもの。売り手市場が強まる中、学生は複数の内定を保持し、より良い条件を求めて比較検討するのが当たり前になった。企業側の「採ってやる」という姿勢はもはや過去のもの。「選んでいただく」という謙虚な気持ちで、内定後も手厚いフォローを続けなければ、学生の心はつなぎとめられない。採用のゴールが内定出しから入社へとシフトした厳しさを物語っている。

AIで 作文作る 学生と 褒める返信 作る人事よ(神奈川県 終わらない就職され活動で祈り続ける人さん)

学生が生成AIでエントリーシートを書くならば、こちらもAIでその内容を褒め称えるメールを書いて送り返す。もはやコントのような光景が目に浮かぶ、今どきの採用活動を痛烈に風刺した作品である。お互いがAIという仮面を被ってコミュニケーションを取る、この奇妙な状況は、効率化の行き着く先にある空虚さを示唆しているのかもしれない。血の通った対話はどこへ行ったのか。作者のペンネームも相まって、終わりの見えない「就職され活動」に疲弊する人事の姿が浮かび上がり、笑いとともに一抹の寂しさを感じさせる作品だ。ただ、作者はIT企業勤務で、AIを否定しているわけではなく、AIを活用できる学生は大歓迎とのこと。

HR総研のオフィシャルページでは、「2026年卒 採用川柳・短歌」の全入選作品について、作者の思いを踏まえての寸評・解説も掲載している。それぞれの作者がどんな気持ちでこの川柳や短歌を詠んだのか、ぜひご覧いただきたい。

今年の入選作品一覧

※外部配信先では画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

今年の入選作一覧
松岡 仁 ProFuture HR総研 主席研究員

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

まつおか ひとし / Hitoshi Matsuoka

就職情報会社社を経て、2009年採用プロドットコム(現ProFuture)に入社。新卒採用に限らず、キャリア採用、人材育成、人事制度、人事システム、労務、法改正対応等、人事領域に関連する幅広い各種調査の企画、実施・分析を行う。朝日新聞、日経新聞をはじめ、新聞、人事系雑誌、テレビからの取材依頼も数多い。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事