8位は前回トップの三井物産(566.5点)。財務が伸びず一歩後退だが、各取り組みは充実している。人材活用面では、社内公募・FA制度として「人事ブリテンボード制度」を導入。上司を経由せずに社内求人などに応募可能だ。
9位は村田製作所(566.4点)。中国の生産拠点に、両面発電パネルや壁面太陽光パネルを設置した環境配慮型立体駐車場を竣工。CO2削減効果は年490トンだ。社内炭素価格を設定するなど、事業投資面でも環境配慮の視点を組み込む。
10位は中外製薬(566.1点)。好調な財務が順位を押し上げた。同社は事由を問わない時間限定勤務制度を導入し、週休3日の勤務形態を選択できる。副業・兼業も認めており、特定の曜日を副業・兼業に充てるといった柔軟な働き方も可能だ
開示した情報が誰にどう活用されるか
これまでの上位企業の変遷を見ると、業種の移り変わりなどから企業に求められるCSRの取り組みも、徐々に変化している様子がうかがえる。

昨今、米国や欧州、日本においてESG・サステナビリティ関連施策や情報開示規制の見直しなど、この分野において「揺り戻し」ともとれる動きが相次いでいる。これは、情報開示の議論が先行しがちだった近年の風潮への問い直しといえるかもしれない。開示した情報が誰にどう活用されるかという本質的な視点の掘り下げが必要だ。
また、このような状況だからこそ、企業の実質的な取り組みを評価する「ものさし」の重要性は増している。本ランキングはCSRと財務の両面から「信頼される会社」を見出すための一助となるべく評価を行ってきた。今後も多様な視点を取り入れつつ継続していきたい。
なお、最新情報は『CSR企業総覧』2026年版(2025年12月上旬発売予定)に掲載予定だ。
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