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健康への投資は早ければ早いほど効果が上がる。シンガポールで発展する健康ビジネスの仕組み

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  • 田村 耕太郎 国立シンガポール大学リー・クワンユー公共政策大学院兼任教授、2022~2026年一橋大学ビジネススクール客員教授
  • 窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO
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窪田:数値を見て、効果を判断できるのがいいですよね。ビタミンDが足りている人がサプリを摂っても、過剰になってしまい、かえってよくないですから。データを取っているからこそ、徹底した管理ができている。

田村:いつも身に付けているウェアラブルデバイスによって24時間計測されているので、私がサプリを飲んだかどうかも、クリニックのスタッフは把握できるわけです。

富裕層の健康データを活用し、国民の健康寿命を延ばす

窪田:シンガポールの長寿クリニックは、健康意識の高いエグゼクティブの方たちが利用されていると思いますが、そうした健康への取り組みは一般の方たちへも広がっていくのでしょうか?

田村:私は、いずれは政府がこのクリニックとタッグを組んで、全国民に向けて展開していくのではないかと思っています。なぜなら、長寿クリニックを設立したのは、国立シンガポール大学の医学部に所属している有名な2人の教授なので。彼らはNetflixの健康長寿に迫るドキュメンタリー番組でも取り上げられるような、長寿研究のスペシャリスト。その2人の発信によって、いずれは予防医療が国策になるのではないかと。

窪田:そのために必要なのが、長寿クリニックのデータなのですね。

田村:はい。お金持ちが、最後に欲しいのは時間だと思うんです。そして、そのための健康。実際、長寿クリニックの利用者の大半は、中国本土やインドから来た富裕層です。例えば、あるクレジットカード会社では、最上位クラスのメンバーの特典としてこの長寿クリニックの検査を提供しているところもあります。長生きにつながることだったら、お金持ちは喜んでお金を出す。いずれはシンガポール以外にも、長寿クリニックは広まり、世界中で開設されるでしょう。

シンガポール政府としては、そうした健康データが集まったところで、広く国民に活用していくのが狙いです。何に使うかというと、公共政策です。

窪田:なるほど。そのためのモニタリングをしているというわけですか。

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【よりよい公共政策へもつながる】

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