"夜食テロ"を生む「孤独のグルメ」のこだわり じわじわ人気化し、シーズン5に突入

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手応えを感じたのは開始からは8話の頃だった

このような、ドラマにかける熱い情熱と原作愛、1店1店へのリスペクトを持って作られた『孤独のグルメ』。当初は「自分の好きな作品を1回でも番組にできたら幸せ」と思っていたが、初回の放映後、すぐにネットがざわつき始めた。

手応えを感じたのは、全12話の中盤に当たる第8話。

「深夜といえど、少しでも数字につなげる必要があるし、あわよくば続編も作りたいという思いもあったので、中盤にキラーコンテンツである“焼肉”を持ってこようと決めていました。リサーチにリサーチを重ねて、ようやくこれぞという1店を見つけて頼み込み、五郎さんに一人焼肉をしてもらったんです」

その回が放映開始されるやいなや、Twitterやネットの掲示板に「うまそ~!!」「深夜にこれは卑怯」などの感想が連発。深夜にもかかわらず、食欲を刺激された視聴者による投稿がものすごい勢いで伸びるさまを見て、吉見さんは初めて本格的な手応えを得たという。

老若男女に愛される五郎さん

「1回限りでもいい」と思っていたものが反響を呼び、シーズンを追うごとに視聴率が上昇。いよいよSeason5に突入した。

なんと今シーズンでは、初の海外出張も。「海外であっても、国内と同じリサーチ手順を踏んでいる」と言い、ガイドブックには載っていないディープなお店の登場が期待できそうだ。

当初は、深夜の放映だけに20~40代の男性がメインターゲットと思われたが、「主演の松重さんは、よく女性や子ども、年配の方にも『五郎さん』と声をかけられる」ほど、今や老若男女に愛される番組になった。ここまで愛される理由は、どこにあるのだろうか?

「われわれスタッフが皆、今の人気に甘えることなく、つねに緊張感を持って臨んでいるからではないでしょうか。制作チームはSeason1から全く変わっておらず、『孤独のグルメ』の世界を知り尽くしたスタッフばかり。リサーチャーは絶対に使わず、自分たちの足で情報を集め、店の雰囲気や味を体験して、これ以上ないという1店を探し当てることに情熱を燃やしています。作品の世界観を映像で実現するために、いつも1話のために全力投球。その思いが視聴者の方々に伝わり、ご支持いただいているならば、こんなにうれしいことはありません」

これからどんなお店が登場し、どんな「夜食テロ」が勃発するのだろうか。吉見さん始めスタッフの情熱を思いながら観ると、また新しい楽しみ方ができそうだ。

(EDIT&WRITING:伊藤理子 PHOTO:平山諭 )

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『リクナビNEXTジャーナル』編集部

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