BYDが日本市場で進める緩やかな電動化戦略とは。バッテリー技術30年の知見を活かした独自アプローチ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

今後、日本市場にも軽自動車サイズのコンパクトなEVを投入すると見られており、ますますパーソナルな空間としての快適性、充実性が競争領域になっていく。

果たして、日本の自動車産業は、世界で受け入れられるEVを製造するBYDが推し進める、「移動の解釈拡大」に備えられているだろうか。

内燃機関も「絶対潰してはならない」

EV化、モビリティの発展を世界規模で推し進めるBYD。

池畑氏自身は、大学時代に自動車部に所属し(筆者は高校で自動車部に所属していたので大先輩だった)、また長年内燃機関を主とする自動車産業に携わってきた人物だ。

聞けば、BYDの日本事業に携わる人の多くは、日本の自動車産業出身者が多いという。

池畑氏は「内燃機関も生き残れる可能性があり、技術は絶対潰してはならない」という考えを示した。

「例えば、二酸化炭素を直接回収し燃料化するダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)のような、新しい技術にも期待しています。多様な技術が共存していくことで、自動車の世界がさらに豊かになるでしょう」(池畑氏)

自動車業界の経験と、世界規模の革新を、日本向けに丁寧に翻訳しようとしている日本におけるBYDの展開は、日本の未来のモビリティの姿に影響を与えていくことになるだろう。

松村 太郎 ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事