BYDが日本市場で進める緩やかな電動化戦略とは。バッテリー技術30年の知見を活かした独自アプローチ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

実は筆者が教鞭をとる大学、iUがある東京都墨田区のコミュニティバスにも、2台のBYDのEVバスが導入されている。

特に高齢化が進む日本においては、「燃油代やメンテナンス費用だけでなく、変速ショックがないことから高齢者の車内転倒の防止に大きく貢献している」(池畑氏)と話す。もちろん運転手の負担も軽減されることになる。

BYDが見据える、最先端のモビリティと未来

BYDの車両の音声アシスタント
BYDの車両には音声アシスタントが搭載されており、ルーフガラスのブラインドの操作などを走行中も声だけで行える。またATTO 3のApple CarPlayなどのスマホ連携は、ワイヤレス接続にも対応する(筆者撮影)

日本のモビリティの電動化に力を入れているBYD。池畑氏が考えるモビリティとエネルギーの未来像について聞いた。

「EVと既存の内燃機関の共存が重要だと考えています。内燃機関は長距離・高エネルギー負荷がかかるものを引き続き担っていく形で、共存する時代が来るのではないでしょうか。

他方、個人向けのモビリティは、『クルマ』というより、スマホのような通信やコンピューティングが不可欠な存在へと変化している真っ最中です。

スマホ連携は当たり前で、スマホがなくてもスマホのように活用できる、そんな価値観が中国では定着しており、世界に広がるのではないでしょうか」(池畑氏)

実際、BYDのEVには、15インチ超のスクリーンが搭載され、100GBもの大容量ストレージも備えている。エンターテインメント、ワークスペースなど、車内の使い方も単なる移動手段の枠を超えつつある。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事