BYDが日本市場で進める緩やかな電動化戦略とは。バッテリー技術30年の知見を活かした独自アプローチ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「これまで5000台以上を国内で納車してきましたが、ほとんどの顧客は充電カードを持っていないことがわかりました。いわゆる基礎充電を選択しており、自宅での充電がメインとなっています。

自宅で夜充電すれば、5〜6kWhの速度でも30kWh以上は回復でき、翌日の通勤での利用に不足ありません。

確かに外出先での充電には時間がかかりますが、これを日常的に行っている顧客は少ないのです」(池畑氏)

また航続距離についても、400〜700kmの実用的な車種を展開し、価格も299万円からのBYDドルフィンを用意したという。

自宅での充電が可能な人がEVに乗り換え、毎日使う分を充電していくサイクルを作り出すことで、「バッテリーへの充電をどのように扱えば良いか?」という使い勝手の面でのガソリン車との最大の違いを乗り越えようとしていた。

EVへの心理的不安を取り除くライフスタイル提案を細かく行っていくことによって、前述の緩やかな電動化への移行と併せて、BYDの日本戦略が進行していることがわかった。

EVバスの意外な効能

池畑氏は、EVが日本で活躍するもう一つの領域に、公共交通機関を挙げた。

「公共交通機関は、ルートが決まっています。そのため、EVの使い方として、最も適しているでしょう。

実はBYDのEVバスは日本で10年の歴史を持ち、国内のEVバスの7割強のシェアを持っています。

世界各国でも、例えばイギリス・ロンドンで象徴的な2階建バスの2000台がBYD製である他、デンマーク、オランダ、アメリカのスクールバスなど、世界各国で導入が進んでいます」(池畑氏)

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事