「心配性」が仕事における最大のムダである トヨタの人はどんどん「捨てている」

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たとえば、1月初旬の経営会議に向けて、12月初旬に資料を完成させたとします。早めに仕事を終えられたことで、心に余裕をもってその後の納期の仕事もどんどん前倒しで着手できるでしょう。しかし、12月中旬に大きな出来事があって、それを折り込んだ資料作成が必要になった場合、結局は大幅な修正が必要です。結局、予定の2倍の時間がかかってしまうということもあります。早めに着手したことが、マイナスに働くのです。このようなケースは、納期をきっちり守る人ほど陥りやすい落とし穴です。

前倒しで仕事をすることは、精神的余裕の観点や納期遅れを防止できるという面ではメリットがあります。しかし、早く着手することで、最新の情報を取りこめないというデメリットもあります。

時間の経過とともに変化する要素がある仕事については、前倒しで行うのは情報収集や具体的フローの計画にとどめて、実際に着手するのは納期に間に合う範囲で最もギリギリのタイミングにしましょう。

「もったいない」を捨てる

本日の2つ目のムダは「在庫のムダ」です。これは、必要以上の物・資料・備品等を持っていることです。フランクな表現で言うと、先ほどの「作りすぎのムダ」が「心配症」だとしたら、「在庫のムダ」は「いろいろなものを溜めこんでしまう貧乏性」です。

在庫については、製造現場では製品在庫・原材料・工具が代表的ですが、オフィスであればメール・資料・備品が典型です。

「今すぐに使わないものでも、捨てるなんてもったいないし、必要になった時になかったらと思うと怖い」という方がいますが、在庫の保管もタダではできません。「作りすぎのムダ」の場合と同じく保管・管理のコストが余分に必要となりますし、本当に必要なものがすぐに見つからずに探すムダが生まれる場合もあります。

この「在庫のムダ」を無くす最大のポイントは、整理です。つまり、「いるものといらないものを分けて、いらないものを捨てる」ことです。ここではケース別ではなく、ステップ別にご説明します。

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