「1秒でも早く脱ぎたい!」グンゼ『アセドロン』猛暑のインナーを変えた新機能… 200万枚突破、大ヒットのワケ

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“2年目のジンクス”も乗り越えて好調に推移する『アセドロン』の残された課題は何か。

「衣類における汗対策は夏だけの話ではありません。もうすでにアセドロンの技術と機能を秋冬用に展開し、このシーズンの不満である“汗冷え”を解消するように進化しています。すでに実感の声も届いていますが、私たちもここで完成とは思っていません。

『肌の一番近く(インナー)の着心地はすべての着心地を左右する』といっても過言ではないので、アセドロンは2.0、3.0と進化して、着心地のインフラ的存在になりたいです」

このように藤本氏も日和氏も口を揃える。

笑顔の藤本さんと日和さん
『アセドロン』チームは意見交換も活発だという 写真左:藤本氏、同右:日和氏(写真:グンゼ提供)

「世の中の本音」をキャッチアップし、さらなる進化へ

不易流行(時代とともに変わるもの・変わらないもの)の視点では、「消費者はどんどん変化する」のは事実だが、一方で「人間の本質はそんなに変わらない」とも思う。

昔から「クレープ」や「さらし」といった素材はあり、当時の消費者も「さらっとした着心地」を求めてきた。グンゼの肌着は約80年の歴史があるという。

ただし、前述したように暑さのレベルが変わってきた。インナーの素材は「木綿」が大半だったが、機能性を高めた結果、現在は化繊(化学繊維)が中心だ。

競合では、アウトドアブランドも「暑さしのぎ」に訴求して積極的に商品展開を行う。

「メーカーとして技術の進化を追求することも大切ですが、世の中ゴトに対するわかりやすいソリューション、そこに新たな気づきや実感を打ち出す重要性も学びました」(日和氏)

『アセドロン』という、ベタだけど覚えやすいブランド名で訴求したグンゼは今後、「さらっとした着心地」のさらなる進化系をどう打ち出していくのか。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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