「1秒でも早く脱ぎたい!」グンゼ『アセドロン』猛暑のインナーを変えた新機能… 200万枚突破、大ヒットのワケ

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同社は2023年3月に組織再編を行い、日和氏や藤本氏が属する営業MD本部は営業部門と企画部門が一体となって誕生。顧客起点でマーケティングや商品開発を行うようになった。「プロダクトアウト」から消費者目線の「マーケットイン」を目指したのだ。

消費者にグルイン(グループインタビュー)やデプス調査(1対1のインタビュー)を行うのではなく、SNSやECサイトのレビューを中心に“生の声”を探っていった。

汗のベタつきを解消する「肌離れ性」素材

その結果、見えてきたのが不平・不満の本音だ。

「『汗のベタつき』といったキーワードにたどりつき、そこからグンゼがもともと持っていた『肌離れ性』を実感してもらうための商品開発に動き出しました」(藤本氏)

例えば酷暑の外出先から自宅に戻った後は、「1秒でも早くインナーを脱ぎたい」ものの、「汗が張り付いて脱げない」。電車に駆け込んだ後、「汗を吸った服が身体にくっつく感じがイヤ」といった経験は多くの人が持っているだろう。

汗の不快感をなくすためには、素材の繊維を構成する特別な糸(製法や加工を施すことで機能性を高める)が必要で、それ以前から素材開発を進めていた。

「2種類のオリジナル糸を検討したのですが、その1つが珪藻土(けいそうど:藻類の一種)を練りこんだもの。珪藻土のバスマットもあり、これを汗の吸放湿に使うことができると思ったのですが、なかなかうまくいかず、2023年6月に断念。もう1つの珪藻土の機能を模倣した糸で試行錯誤した結果、実用化のメドが立ちました」(同)

糸の断面図
珪藻土の機能を模した糸の断面図。芯部では機能性物質を分子レベルで結合し、吸放湿性を向上。鞘部では無数の空隙によって汗を素早く、効果的に拡散できる(画像:グンゼ提供)
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