SMBC日興証券の相場操縦事件、金融商品取引法違反(相場操縦)の罪に問われた元副社長ら5人の被告にきょう判決
SMBC日興証券の相場操縦事件で、金融商品取引法違反(相場操縦)の罪に問われた元副社長ら5被告の判決公判が22日、東京地裁(江口和伸裁判長)で午前10時から開かれる。
市場のゲートキーパーとして公正性を確保することが求められる証券会社の副社長ら複数幹部が起訴された事件は、市場の信頼を大きく揺るがした。検察側は、繰り返し市場を安定操作した行為は組織ぐるみで歴史的に見ても突出して悪質だと厳しく指弾。一方、被告側は相場操縦には当たらず、共謀した事実もないと反論しており、双方の主張は真っ向から対立している。
最大の争点は、一連の取引が相場操縦に当たるのか、また、組織ぐるみの関与があったのかの2点。これらの争点に対して裁判所がどのような判断を下すのか注目が集まる。
3月の論告求刑公判では、元副社長の佐藤俊弘被告と元専務執行役員のトレボー・ヒル被告が懲役2年6月、元執行役員のアレクサンドル・アヴァキャンツ被告と元エクイティ・プロダクト・ソリューション部長の岡崎真一郎被告が懲役2年、起訴対象となった全10銘柄の取引全てに関わったとされる元エクイティ部長の山田誠被告には懲役4年がそれぞれ求刑された。
起訴状によると、2019年12月から21年4月にかけて、上場企業の大株主から保有株式をまとめて買い取り、投資家に転売する「ブロックオファー」と呼ばれる取引で、立ち会い終了時間直前に大量の買い注文を入れるなどして株価を不正に維持したとされる。
SMBC日興による相場操縦事件を巡っては23年2月、同罪に問われた法人としての同社に罰金7億円と追徴金44億7000万円余り、杉野輝也元執行役員エクイティ本部副本部長に懲役1年6月・執行猶予3年の有罪判決が下っている。ともに起訴内容を認めていた。
著者:堀内亮、中道敬、佐野七緒
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