SMBC日興「相場操縦事件」は全被告が無罪主張貫く 検察は「歴史的に見ても突出して悪質な事案」と指弾
2022年春の起訴から3年。長期にわたった裁判がいよいよ大詰めを迎えている。

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「大手証券会社の幹部である被告人らが、組織ぐるみで市場をほしいままに操作した事案で、国内外に及ぼした影響は計り知れず、歴史的に見ても突出して悪質な事案」――。
東京地方裁判所の104号法廷に検察官の声が鋭く響いた。
3月6日、SMBC日興証券の相場操縦事件の公判が開かれた。起訴から約3年。24人もの証人を召喚した審理はこの日で58回を数えた。午前10時に開廷され、検察官が事件について最終的な意見を述べる論告と求刑を行った。
2度の休憩を挟み午後4時すぎまで続いた検察官による朗読は、被告らを激しく糾弾する内容だった。
この裁判で金融商品取引法違反の相場操縦を問われているのは、元副社長などSMBC日興幹部だった5人だ。5人の被告は2022年3月に逮捕され、もう1人を合わせた計6人と法人としてのSMBC日興が起訴された。
「事件の中心人物」に懲役4年を求刑
このうち元副本部長1人とSMBC日興は罪を認め、2023年2月に有罪判決が確定した。SMBC日興には罰金7億円と追徴金44億円強が科された。一方、罪を認めなかった5人の公判は同年5月に始まった。
最も厳しい求刑となったのは、検察官が事件の「中心人物」とした山田誠・元エクイティ部部長だ。懲役4年を求刑した。
山田氏の上司でエクイティ本部長だったヒル・トレボー・アロン氏と、さらにその上司の佐藤俊弘・元副社長には懲役2年6月を科すべきだとした。
エクイティ本部の副本部長だったアヴァキャンツ・アレクサンドル氏と、エクイティ・プロダクト・ソリューション部の部長だった岡崎眞一郎氏には懲役2年を求刑した。

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