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SMBC日興の事件は「自己売買の目的」が最大争点 一連の売買は「安定操作取引」に当たるのか

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事件をめぐる検察側と弁護側の「最大の争点」をみていく。

検察庁
SMBC日興の事件はこれまで検察当局が摘発してきた相場操縦事件とは異なる色合いだ(写真:b13v04/PIXTA)

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「不当に株価が下がっているブロックオファー銘柄について大引けで買い注文を入れ、その結果、下げがマイルドになるという意味だった」――。

2024年3月4日。東京地方裁判所の法廷で証言台に立った山田誠・元エクイティ部長は、「買い支え」の意味についてこう証言した。売買が「株価を安定させる目的」だったとする検察側の主張と正面から対立する内容だ。

2022年春の起訴から約3年。SMBC日興証券の相場操縦事件をめぐる裁判が大詰めを迎えている。

検察官が事件の「中心人物」とした山田氏は、「一連の売買は利益を得るのが主な目的だった」とし、検察側の指摘を認めてこなかった。ほかの被告も異口同音に、山田氏同様の認識を主張してきた。

5人の被告以外の証人では、検察側の主張どおり「株価を安定させる目的だった」と話したSMBC日興関係者がいた一方で、元副本部長のS氏は自身の証言を完全に覆し「記憶がない」と繰り返した(詳細はこちら)。

ほとんど先例のない条文を根拠に起訴

今回の事件には大きな特徴がある。合同で調査・捜査を行った証券取引等監視委員会(SESC)と東京地方検察庁特捜部が「安定操作取引」というほとんど先例のない条文を根拠にして起訴に踏み切ったことだ。

安定操作取引は、金融商品取引法の159条3項に規定されている。条文では「何人も、政令で定めるところに違反して(中略)相場をくぎ付けし、固定し、又は安定させる目的をもつて、一連の有価証券売買等(中略)をしてはならない」と定められている。

検察側と弁護側の最大の争点の1つが「この条文をどのように解釈するべきなのか」だ。

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